研究分担者 |
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
谷村 弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10026990)
中峯 寛和 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70155810)
永井 祐吾 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (00172495)
入江 真行 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (20305775)
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研究概要 |
1.病理診断の実施状況 新規3施設との実施準備が昨年3月に完了し,4月から運用を開始した.その後,本年2月までの11ヶ月間に,102例(167検体)で遠隔病理診断を実施した.このうち,新規3施設との実施症例数は37例(45検体)であり,送信施設近隣の病院での手術中に検体を搬送しての実施が2例あった.これら102例における診断成績は,正診95例,誤診(良性・悪性の間違い)2例,許容診断1例,診断保留2例,および送信・受信の支障2例,であり,正診率は98%と算出される. [送信・受信の支障:(1)10月6日に発生した鳥取地震の影響で電話回線が繋がらず,診断に41分を要す.(2)送信機器の部分的故障のため,診断に46分を要す.] 12月23日には第2回和歌山遠隔医療研究会を開催し,この実績をもとに遠隔病理診断の改善点/今後の研究方針について検討した.地域における研究開発プロジェクトとの連携として,1月に伊都地方の開業医に遠隔病理診断の情報を開示した. 2.学術活動 本年度の実績を中心に,第23回国際病理学会(名古屋市)ならびにテレパソロジーおよび地域医療に関する京都国際フォーラム(京都市)にて発表し,国際的な評価を受けた.また,第24回和歌山悪性腫瘍研究会にて本研究がミニシンポジウムに取り上げられ,標本作製を担当する検査技師の立場から本研究の意義と問題点について発表された.一方,一般に向けての情報開示として,第12回「最新の医療・研究」カンファランス(和歌山医大生涯研修・地域医療センター)にて本研究内容を紹介した.その後のアンケート調査では,この研究には意義があり地域の過疎化の歯止め/発展につながるとの意見が過半数を占めた. 来年度は本研究の最終年度であり,わが国の遠隔病理診断分野における指導的研究者を招聘し,和歌山テレパソロジーシンポジウムの開催を計画している.
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