研究概要 |
診断のための歩行運動測定と骨形態計測をリンクした解析に関し,X線透過材料のアクリル樹脂を用い,膝装具型6自由度運動測定システムを開発した.膝内外側の4個のロータリーエンコーダと2個のリニアポテンショメータにより6自由度を計測するため,内外反とローテーションの自由度表現に制限が予想されたが,通常の歩行におけるそれら2自由度の可動域において,診断・治療計画における許容誤差範囲内であることが検定された.さらに,シネラジオグラフィーを用いた骨形態へのスーパーインポーズから視覚的な理解が容易な動的解析システムへと発展した. 治療・強制的瞬間回転軸移動軌道の検討とインテリジェント装具ハードの試作に関し,歩行等の運動下における大腿・脛骨間の相対移動と外力の関係を推定するために,実機の試作として小型油圧シリンダーとACサーボモータ,電気粘性流体(ER)軸受・ダンパを組み合わせたシステムの設計を行った.試験的に健常者に同システムを適用することにより,歩行等の自発的運動下における矯正力と生体内応力変化の関係を解析するプロトコルを,オープンMRI等の利用を視野に入れ,計画した.人体のメカトロ機能が直接固定されるため,ER流体を介在させ,動力伝達のフェールセーフ機構とした.さらに,6軸モーションベースを用い,膝6自由度シミュレーションシステムを構築し,動作確認の準備を行った. 基礎研究として,機械的力学刺激に対する骨組織の適応的リモデリングの,定量的評価を行い,インテリジェント装具における効果的外力を推定・概算した.
|