研究分担者 |
田村 誠 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (50272422)
武藤 孝司 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30209986)
西嶋 尚彦 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50202239)
黒須 充 福島大学, 教育学部, 助教授 (50170121)
野川 春夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70208312)
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研究概要 |
本研究の目的は,総合型地域スポーツクラブ育成による地域スポーツ推進施策の医療経済的効果等を評価することであった.対象市町村は,平成10年度までに3年間の総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業(文部科学省補助事業)を終了した富山県福野町,秋田県琴丘町であった. <地域住民調査> 調査対象:20歳以上の全住民を対象とし,有効回答標本数は福野町が9,040人,琴丘町が3,089人であった.医療費データでは福野町が2,749人,琴丘町が2,297人であった. 調査内容:平成8年4月〜平成11年10月までの42ヶ月間の国民健康保険診療明細書(レセプト)資料,スポーツクラブ参加状況,ボランティア活動,スポーツクラブへの参加動機,満足性,自己実現性,運動・スポーツ実施状況,健康生活,体力,ADLなど. 調査方法:配票留置法による質問紙法調査.調査期間:平成11年11月. 結果報告:対象2町には,個別に調査報告書(研究成果報告書別冊)を提出した. <身体活動量調査> 対象地域:富山県福野町. 調査対象:ふくのスポーツクラブ会員を含む20歳以上の男女122名. 調査内容:スズケン社製ライフコーダを用いた身体活動量,7日間の生活行動,スポーツクラブ参加状況,運動・スポーツ実施状況,体力,ADLなど. 調査方法:配票留置法による質問紙法調査.調査期間:平成12年11月24日から30日までの7日間. <文献研究> 調査内容:身体活動と医療経済効果に関する研究動向 <主な成果> 横断的データに基づく検討の結果,総合型地域スポーツクラブ活動による医療費の節減傾向が伺えた.また,総合型地域スポーツクラブ活動によって,週1回以上の運動・スポーツ実施者率が50%を越え,その結果,65歳以上の高齢期においても40歳代の体力(身体機能)を維持する傾向であった. 総合型地域スポーツクラブ活動では,会員の私益性とともに地域社会に対する公益性が大きい傾向が伺えた.また,週1回以上,および1回30分以上かつ週2回以上の運動・スポーツ実施が実現されることにより,健康づくりのために必要な身体活動量が確保される傾向であった.
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