研究課題
特定領域研究(B)
本研究では、主要諸外国の特殊教育改革の動向、とくに小・中学校等の通常教育の場における障害のある子どもへの指導及び援助の実際とその改善充実の動向について、調査研究を行うことを目的とした。平成11年度は、次の研究を行った。1)文献資料調査アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等の主要諸外国の特殊教育制度及び教育改革の最近の動向に関する資料をインターネット及び文献資料を通じて収集し、主要国の特殊教育における取り組みの現状を整理し、分析した。2)調査票の作成各国について共通した項目で調査を行うために、調査票を作成した。調査票は、国レベル、地方レベル、学校レベルの特殊教育に関する取り組みを調査するために3部構成となっており、特別な教育的ニーズのある子どものインクルージョンに関する法律及び規則、就学前の子どもへの対応、通常学校における特別な教育的ニーズのある子どもへの支援体制、特殊学校の役割、各種統計資料等の調査項目から構成されている。3)実施調査本年度は、イギリスについて実地調査を行った。上記の調査票に基づき、国レベルの特殊教育に関する施策については、教育雇用省の特殊教育担当部局を訪問して資料を収集した。また、地方教育局レベルの特殊教育に関する施策については、ロンドン・ニューハイム地方教育局及びエジンバラの地方教育局を訪問し、資料を収集した。学校における実際の特殊教育の取り組みに関しては、ロンドン・ニューハイム地区の小学校及びエジンバラの特殊学校を訪問し、教育実践について資料を収集した。これらの調査によって得られた資料に基づき、イギリスにおける特殊教育の取り組みの動向について分析を行った。