研究概要 |
ネットワークのブロード・バンド化ならびに画像圧縮技術の進歩に伴い,今後,聴覚障害児・者によるテレビ電話やテレビ会議システムを用いた遠隔地同士の通信ならびに協同作業が可能になっていくものと思われる.そのためのより効果的なシステムの構築ならびに利用方法の検討を目的として,本年度以下の実験や検討を行った. 1 聴覚障害者の協同作業実験(1) 聴覚障害者5人による遠隔地協同作業実験を行った.作業内容は「折り紙の製作」で,片方の被験者が指導書・解説書を見て実際に折りながら,もう一方の被験者に折り方を指導するものである.実験では,カメラやモニタの位置・台数,連絡用ライトの有無などを変えて作業環境の違いによる評価を行った. 2 聴覚障害者の協同作業実験(2) 聴覚障害者5人による遠隔地協同作業実験を行った.作業内容は「競技用紙飛行機の製作」で,片方の被験者が指導書・解説書を見ながら,もう一方の被験者に作り方を指導するものである.実験では,カメラやモニタの位置・台数,連絡用ライトの有無などを変えて作業環境の違いによる評価を行った. 3 昨年の画像通信実験の結果との比較ならびに遠隔地協同作業に関する評価分析 昨年度行った聴覚障害者同士の画像通信実験での結果と比較し,画像通信時に指摘された問題点と今回の遠隔地協同作業時に指摘された問題点を比較検討した.その結果,聴覚障害者の遠隔地協同作業に内在する特徴や問題点には、作業性と連絡性が複雑に絡み合っていることが明らかになった.
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