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2000 年度 実績報告書

恐竜の移動と生息環境-日本の下部白亜系を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 11833003
研究機関東京学芸大学

研究代表者

松川 正樹  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30127914)

研究分担者 伊藤 慎  千葉大学, 理学部, 教授 (10201930)
キーワード恐竜ハイウエー / 河川モデル / 手取層群 / 恐竜化石 / 桑島層 / 河川流路 / 河川州 / 延吉層群
研究概要

東アジアにおいては,日本,中国,モンゴルの約1億年前の前期白亜紀の地層から共通的あるいは類似的な恐竜化石が産出し,モンゴルや満州と日本を結ぶ恐竜の渡りや移住を暗示する「恐竜ハイウエー」はアジア大陸内を流れる河川沿いにあった河川モデルと北九州・西中国地方と韓国南東部に存在した湖に定期的に訪れたとするヌーモデルがある.
河川モデルは,アジア大陸東端にあたる日本の手取層群がその河川の河口にあたると解釈されている.しかし,その河川の正確な位置,規模,環境やそこに生息する生物の構成や構造についてはわかっていない.そこで,この研究では,河川モデルの東端にあたる日本の手取層群での河川の正確な位置,規模,環境やそこに生息する生物の構成や構造を明らかにすることを試みた.
その結果,(1)岐阜県荘川村と石川県白峰村の手取層群は,これまでそれぞれ異なる層序区分され,正確な対比が示されていなかった.しかし,この研究では,地層を追跡し,高い地質図を作成し,両地域では同一の地層が連続することを確かめた.そのため,両地域では1つの層序区分が適用されことがわかった.そして,これまで報告された恐竜化石の産出層は,すべて桑島層に含まれることがわかった.さらに,手取層群は最下位の牛丸層から御手洗層への層序は,海進相で,デルタないしその周辺から,沖合いの環境が解釈される.大谷山層から大黒谷層への層序は,海退相を示す.デルタ周辺から湖沼や河川流路の環境が示される.アマゴ谷層,大倉層と別山谷層は,北西側から運搬された河川流路と河川州の堆積相が解釈される.特に,最上部の別山谷層は,網状河川と蛇行河川の2つの層相が存在し,堆積盆地内での河川形態と後背地の様相がしばしば変化していたことを示すと解釈できる.恐竜は,手取層群北西部に位置する延吉層群の堆積盆地と河川系沿いに行き来したと解釈できることを示した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松川正樹,中田恒介: "手取層群の分布域南東部の層序と堆積環境の変遷-非海生軟体動物化石群集に基づいて"地質学雑誌. 105巻・12号. 817-835

  • [文献書誌] 松川正樹,塩野谷奨,小荒井千人,新海拓也,中田恒介,松井哲也,青野宏美,小林典夫: "石川県白峰村東部の手取層群の層序と隣接する岐阜県北部の手取層群との比較"東京学芸大学紀要 第4部門. 52集. 37-46

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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