研究課題/領域番号 |
11833008
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (40172978)
|
研究分担者 |
吉田 高志 国立感染症研究所, 筑波霊長類センター, 主任研究官 (60142147)
大蔵 聡 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20263163)
渡辺 邦夫 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60158623)
|
キーワード | 季節性 / 季節繁殖 / 体脂肪 / ニホンザル(Macaca fuscata fuscata) / 思春期 / 体組成 / レプチン / IGF-1 |
研究概要 |
屋外放飼場ニホンザル群(霊長類研究所)に関して、生体計測と体組成計測の季節変化データを収集した。予備的分析では、3・9月にピークを6・12月にトラフをもつ体脂肪量季節変化が示された。また、性成熟開始前のニホンザルメス(2才から3才)について、縦断的計測と内分泌分析のための採血を行った<濱田・大蔵>。 幸島ニホンザルは、昨年に引続きマテバシイ等、秋季の果実等食物生産量が豊富であったため、出産多数で(♂:9、♀:8)一年間の死亡率も低かった。こういった環境と人口動態と、毎月の体重に見られる季節性の関連性を分析中である。特に注目されるのは、オトナメスの体重増減と妊娠・出産・生後一年間のコドモの生死である。<渡邊> ニホンザル季節性機序解明のため、同じマカク属で通年繁殖を行うカニクイザルについて比較研究を行った。生殖内分泌学的研究では、採血困難な野生ニホンザルとの比較のため、採取が容易な糞便中のステロイドホルモンを測定し、性周期機序の解析を行なった。代謝内分泌学的研究では、血中レプチン(食欲抑制ホルモン)量の解析を行った<吉田>。同種について、タイ国チュラロンコーン大学のマライビジットノン博士と共同研究を開始し、9月に同大学飼育個体の生体計測と血液性状のデータを収集し、年内変動の確認のため、10月より各週体重計測を開始した<濱田>。 周思春期(3-6才)メスニホンザルから経時的に採血を行い、血中エストラジオール(E_2)濃度を測定し、E_2濃度の周期的な上昇開始が3才の繁殖期(秋)に観察された。これは既報の血中プロジェステロン濃度変化と一致し、メスニホンザルでは3才の繁殖期に生理的に性成熟に達し、排卵が始まることが明らかとなった。また、血中レプチン濃度が繁殖期に体重増に一致して高まる個体が観察され、レプチン分泌の季節変動が示唆された<大蔵>。
|