研究課題/領域番号 |
11834008
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
和田 修己 岡山大学, 工学部, 助教授 (10210973)
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研究分担者 |
宮下 卓也 岡山大学, 総合情報処理センター, 助手 (70304300)
豊田 啓孝 岡山大学, 工学部, 助手 (20311798)
古賀 隆治 岡山大学, 工学部, 教授 (20027147)
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キーワード | プリント回路基板 / 近傍界測定 / EMI / EMC / 遠方界 / バスライン / クロックライン / シミュレーション |
研究概要 |
高速の「ディジタルプリント回路基板(PCB: Printed Circuit Board)」から放射される電磁雑音を「近傍界測定」により評価して、実際にEMI(Electromagnetic Interference:電磁波妨害)規制値が規定されている「遠方界」(3mないし10m)での電磁雑音強度を推定する。対象は「バスライン」と「高速クロックライン」である。 まず、単一信号線につき、周期的クロックのみではなく、ディジタルの「ランダムデータ」による放射をモデル化した。RZおよびNRZデータ電圧スペクトルについて任意波形を信号の立上りと立下りに分解して、タイミングを考慮してそれぞれのスペクトルを合成する事により、1dB以内の誤差で予測可能である事を実測とシミュレーションにより示した。さらに電圧から近傍界スペクトルを0.5dB以内の誤差で予測可能である事を示した。すなわち、要素分解により合成スペクトル全体が表現できる事を明らかにした。 次に、複数信号線につき、やはり要素分解した電圧波形から合成した近傍界スペクトルが、実測と良く一致する事を示した。また信号のタイミングのずれによるレベル変動をミュレーションにより精度よく再現した。 さらに、有限で切り欠きのあるグランド面を持つ基板につき、近傍界測定から基板上電流分布を推定し、その結果から遠方界を予測して実測と比較した。全面グランド基板と切り欠き基板、および一部帰路電流を確保した基板につき、近傍界からの予測結果と遠方界実測結果を比較した結果、EMI強度の変動の推定誤差は3dB以内と良好であった。ただし遠方界強度自体の推定誤差が3〜8dB程度あるため、次年度はさらにコモンモードの発生機構、電流予測、および遠方界計算について精度向上を図る。
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