研究概要 |
1.昨年度ワークショックで粗大運動能力尺度(Gross Motor Function Measure:GMFM)に習熟してもらった協力5施設の評価者に、術前術後の脳性麻痺児のデータの収集を依頼し,4月からデータ収集を開始した。平成13年2月現在で,22名の脳性麻痺児(GMFCS level I5名,level II3名,level III5名,level IV9名)の術前・術後の粗大運動能力の変化を継続的に評価している。 2.評価者の能力を一定レベルに保持するため、11月から南大阪療育園,石川整肢学園,富山県立高志学園,栃木県身体障害医療福祉センターの4施設を巡回し、GMFMの講習会を行い、同時にデータの収集の仕方の指導を行った。現在手術データを収集できる評価者(基準テープのとの一致はKappaで0.6以上)は,当初の6名から45名に増加した。来年度,さらに4施設を巡回する予定としている。 3.当研究の対象児の運動障害の重症度を測る尺度粗大運動能力分類システムの信頼性検討を,同時に進めており,Kappa=0.66を達成した。その結果をアメリカ脳性麻痺発達医学会(トロント,平成12年9月)で発表し,あわせてこれまでの研究成果を,カレント・トピックス&レクチャ(大阪,平成12年11月)で発表した。信頼性研究の結果から完成したGMFCSの日本語版ver.1.1を関係諸施設に配布した。 4.評価の全過程が終了するのには,1年1カ月かかるので,現在のところ,最初に全評価を終了する脳性麻痺児の結果が出るのは,平成13年4月である。これから結果を各施設にフィードバックする予定としている。
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