研究課題/領域番号 |
11835014
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
猪田 邦雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (10115529)
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研究分担者 |
肥田 朋子 名古屋大学, 医学部, 助手 (20223050)
鈴木 重行 名古屋大学, 医学部, 教授 (60179215)
小林 邦彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (30001051)
講武 芳英 名古屋大学, 医学部, 講師 (80215201)
河村 守雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (30186150)
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キーワード | 関節拘縮 / 関節拘縮モデル / 膝関節 / 関節拘縮の定量化 / 関節可動域測定 / 筋重量 / 結合組織 / 負荷量・屈曲角度相関 |
研究概要 |
本研究では、関節拘縮における関節周囲の結合組織の線維構築の変化を知ることにより、関節可動性への関節周囲結合組織線維の関与を明らかにし、関節拘縮の治療・予防のための基礎データを得ることを目的とした。しかし、本年度はおもに、その前段階の拘縮モデルの作成、そのための拘縮の定量的評価法の検討にとどまった。 1 ラットの膝関節の安定した固定法に関して検討を加えた。また足関節固定モデルの利点について検討した。 2 従来の、手を用いて関節に負荷をかけゴニオメ一夕ーで角度を測る関節可動域測定では、負荷の量が一定せず客観性に欠ける。再現性のある関節拘縮モデルを作成するために、まず、関節拘縮の定量化方法を確立するための検討を行った。拘縮をおこさせたラット膝関節の可動域測定の際に、押して負荷力が測定できるバネばかりを通して下腿の一定の場所に垂直に力を加え、負荷量と屈曲角度を測定した。屈曲角度は負荷量依存性を示し、屈曲角度の正常膝との差の有意レベルも、負荷量によって異なることが判明した。また軽度負荷でも正常より低い可動角度を示した。つまり、従来の指標である可動域制限(終点)以外に、関節の固定によって関節運動の「こわばり」が生じていることが定量化できると思われる。今後、関節拘縮の量的表現として何を指標にすべきか、さらなる検討が必要である。 3 正常および関節拘縮モデルラットから大腿四頭筋を採取し、筋湿重量が固定ラットで減少していることを確認した。さらに採取した膝関節周囲(大腿四頭筋の膝蓋骨への停止部)の組織標本の光学顕微鏡観察から、筋部分が著しく断面積が減少しているにもかかわらず腱部分(結合組織)にはあまり変化がないことがわかった。筋線維および結合組織線維の走行に対する拘縮の影響を明らかにするために、三次元的な解析が必要である。
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