人に置いて直線偏光近赤外線治療器による直線偏光近赤外線の星状神経節近傍照射や大脳知覚野近傍照射、延髄近傍照射などが行われている。我々は反射性交感神経性ジストロフィーの動物モデルの腰部交感神経節近傍に直線偏光近赤外線を照射し、鎮痛効果があることを報告した。今回、反射性交感神経性ジストロフィーの動物モデルの大脳知覚野近傍、延髄近傍へ直線偏光近赤外線を照射しその鎮痛効果を調べる。予想される結果としては反射性交感神経性ジストロフィーの動物モデルの大脳知覚野近傍、延髄近傍へ直線偏光近赤外線を照射すると鎮痛効果が得られ、これは臨床における、大脳知覚野近傍、延髄近傍への直線偏光近赤外線照射の有効性の可能性を開くものである。 反射性交感神経性ジストロフィーの動物モデルであるBennettモデルを作成する。具体的にはS-Dラットの右坐骨神経を4-0chromic gutにて4カ所緩く結紮する。左坐骨神経は剥離のみで結紮はしない。痛覚過敏はradlant heat testによる熱刺激とvon Frey hairによる圧刺激により二通りの評価をする。radiant heat testではガラス板の上にラットをおいてガラス板の下から輻射熱を足底に照射して後ろ足を動かすまでの時間を測定する。von Frey hairによる圧刺激により金属メッシュの上にラットを置き、金属メッシュの下からvon Frey hairで足底を刺激し、後ろ足を動かすフィラメントの太さで痛覚過敏の程度を判定する。まず、結紮後1週間経過して痛覚過敏となったラットの延髄近傍に体外から直線偏光近赤外線を1回照射しその後の経過を観察する。Bennettモデルは約8週間経過すると痛覚過敏が消失する。結紮後1週間経過して痛覚過敏が生じたラットに対して1週間または3週間、毎日延髄近傍に体外から直線偏光近赤外線を照射しその後の経過を観察し、回復効果の有無を検討する。現在のところ延髄近傍への直線偏光近赤外線照射群と非照射群とで明らかな有意差は認められず、この原因究明に関しても実験を継続中である。
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