研究概要 |
反射性交感神経性ジストロフィーの動物モデル(CCI)であるBennettモデルを作成する。痛覚過敏はradiant heat testによる熱刺激とvon Frey hairによる圧刺激により二通りの評価をする。まず、CCI作成後1週間経過して痛覚過敏となったラットのみを使用する.実験1として,直線偏光型近赤外線を1回照射し、その後の経過を観察する。実験2として,1週間または3週間、毎日直線偏光型赤外線を照射しその後の経過を観察し、回復効果の有無を検討する。実験3として,CCI作成後7日から13日まで7日間連続で1日1回照射した.CCI作成後11,14,18,21,28,35,49日に圧テストを行った. 実験1において,照射後1,3,8時間で照射群と非照射群の群間比較で有意差が認められた.つまり、直線偏光型近赤外線を1回照射すると、照射後1時間から8時間までは痛覚過敏を有意に緩和したが、照射12時間後には、その効果は消失した.実験2において,非照射群で右足の潜時から左足の潜時を引いた時間が経過とともに徐々に低下している.繰り返す熱テストそのものが刺激となり痛覚過敏が増悪したからであろうと推測している.また,1週間照射群,6週間照射群ではともに非照射群よりも有意に痛覚過敏が軽減しており,これは直線偏光型近赤外線の連続照射によりCCIの痛覚過敏の回復が促進されたことを意味する.さらに1週間照射群より6週間照射群において結紮後18日で痛覚過敏の程度が軽かった.これはCCIにおいて直線偏光型近赤外線を照射する場合には,長期間照射した方がより効果的であることを意味する.実験3において,圧テストでは効果が認められなかった.この理由は不明である.照射群と非照射群の群間比較において有意差はなかった.つまり圧テストによる評価では7日間連続で直線偏光近赤外線を照射しても、触覚過敏の回復は促進されなかった.
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