研究課題/領域番号 |
11835024
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
堀切 豊 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10199549)
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研究分担者 |
田中 信行 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40041454)
川平 和美 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20117493)
東郷 伸一 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50264411)
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キーワード | 高齢者 / 入浴 / 運動対応能 / トレッドミル / 高血圧 / 虚血性心疾患 / 疲労 / 体温 |
研究概要 |
対象は速歩可能な高齢者16名(男性6名、女性10名、平均年齢68.4±6.2歳(64-80歳))である。方法は同一対象で無入浴と、41℃淡水に10分間の入浴後にtreadmill負荷を行わせた。【結果】運動負荷前の深部体温は入浴群が無入浴群に比し約0.3℃高かったが、運動終了後には差はなかった。心拍数は無入浴群に比し入浴群が安静時すでに10.5拍/分多く、運動負荷中はその差は無かったが、運動終了後10分まで3-5拍/分高いまま推移した。血圧は収縮・拡張期とも運動前から運動中を通じてコントロール群に比し入浴群がいずれも低かった。Pressure Rate Productは入浴群で常に低い傾向にあった。運動持続時間は無入浴群の6分2秒から入浴後は6分42秒に増加した。また最大心拍数までの変化(△HRmax)を運動持続時間で除した値も入浴群で小さく、速いスピードでの運動を少ない心拍増加で達成し、心臓予備力の向上が推定された。浴後安静時心電図では、負荷前にむしろ改善するものが見られた。入浴後の運動負荷では運動耐容時間が延長し、ST低下の消失した症例が1例、運動時間は約2倍に延長し虚血領域の縮小した者が1例、また、虚血領域の移動した者が2例あった。ボルグ指数(6-20)は最大運動時で比較すると無入浴群で13.5、入浴後群では12.5と浴後群で低かった。【考察】運動前入浴による運動への影響についての報告はない。入浴により全身末梢血管の拡張を起こし、循環促進による組織の十分な酸素化と代謝産物の洗い出し可能な状態にしておけば運動耐性は向上するはずである。【結語】温浴後のトレッドミル負荷は運動時間の延長すなわち強い運動負荷を可能にした。ST低下度には差がなく、この運動耐性の増加は冠血流、筋骨格系機能に改善が推測された。
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