• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

脊髄損傷後の呼吸運動と中枢神経の可塑的変化

研究課題

研究課題/領域番号 11835028
研究機関茨城県立医療大学

研究代表者

佐々木 誠一  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50153987)

研究分担者 丹羽 正利  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (90274985)
キーワード脊髄 / 可塑性 / 横隔神経 / 呼吸 / 運動ニユーロン / 脊髄半切
研究概要

頚髄で脊髄を半切断し、1週間と3カ月生存後の横隔神経発射の回復を調べた。半切後1週間では半切側の横隔神経には吸息性神経発射が認められるが健常側と比較すると明らかに神経発射は弱かった。さらに神経発射の開始時点を比較すると半切側の開始時点は健常側よりも遅れていた。しかしながら、3カ月生存後の例では切断側の横隔神経発射はほぼ健常側のレベルにまで回復し、神経発射の開始時点はほぼ同時であった。終末呼気二酸化炭素濃度を変化させると神経発射は二酸化炭素濃度の増減に良く対応した。切断部の吻側で再度脊髄を半切しても神経発射には変化がなく対側の脊髄を切断すると消失した。このことから脊髄半切後の横隔神経発射の回復は対側を下行する経路から新たなシナブスが形成されたためにおこったと考えられた。脊髄を半切した動物について半切後7日から90日生かした例について横隔神経運動ニューロンから細胞内記録を行い運動ニューロンに生じている呼吸性シナプス電位を解析した。3MKC1を充填したガラス管微小電極を用いて運動ニューロンから細胞内記録を行った。吸息期には自発性にスパイク電位が観察された。吸息相で興奮性シナプス電位(EPSP)が観察され、このシナプス電位の発生する開始時点は健常側の神経発射に一致していた。このことは半切側の運動ニューロンにシナプスを形成する局所神経回路が良く回復していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 田中純子、橘香織、佐々木誠一: "脊髄半切後の呼吸性シナプス電位の解析"J.Mov.Disord.Disabil. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 渡部恵、飯塚真喜人、佐々木誠一: "新生ラット脳幹-脊髄摘出標本における呼吸性運動出力の時間的・空間的パターン"J.Mov.Disord.Disabil. 9. 65-69 (1999)

  • [文献書誌] 小沢健一、小國英一、渡部恵、丹羽正利、佐々木誠一: "側方傾斜刺激に対する端座位バランスの検討"ひろき. 2. 31-33 (1999)

  • [文献書誌] 小林美亜、久保田順子、佐々木誠一: "外尿道括約筋からの求心性入力"J.Mov.Disord.Disabil. 7. 7-11 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi