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1999 年度 実績報告書

運動療法が廃用骨格筋に及ぼす筋ミトコンドリアDNAおよび筋微細構造学的変化

研究課題

研究課題/領域番号 11835029
研究機関茨城県立医療大学

研究代表者

阪井 康友  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (80274984)

キーワード後肢懸垂法 / 廃用 / 筋ミトコンドリアDNA(筋mtDNA) / nested PCR法 / 電顕像 / ラット / ヒラメ筋 / 欠失
研究概要

平成11年度の本研究は,重力免荷性の廃用状況を想定し,ラット・後肢懸垂法を用いた筋廃用群(1.廃用2週間群,2.廃用4週間群)およびその回復群(3.廃用2週間後の回復2週間群)にみられるヒラメ筋ミトコンドリア(以下,Mit)の変化について検索した。そのうち明らかにされた諸点について下記に示す。
1.筋ミトコンドリアDNA(以下,筋mtDNA)の検索:nestedPCR法によって変異mtDNAの有無の決定を試みた。変異を示す断片は廃用2週間群(変異出現率は3/4)で最も高く,廃用4週間群(1/2)においても変異の断片が確認された。一方,対照群(0/4)や2週間の廃用後に2週間の自由荷重を行った回復2週間群(0/3)では,変異を示す断片は検出されず,変異mtDNAには回復の影響があると推測された。この断片は放射線照射による培養肝細胞に増幅(同条件)された断片と同レベル(末発表)であり,欠失であると推測された。
2.骨格筋の超微形熊学的変化:透過型電顕像と光顕像の観察を行った。(1)廃用4週間群は2週問群に比べて横紋筋線維の変性像がより明瞭で,この筋Mitは軽度の萎緒,一部の筋Mitの外膜やクリステの内部に高電子密度性の板状構造物の出現,クリステと筋小胞体構造の不鮮明化,膨化・変性像などを生じた。また,筋原線維の断裂像は,Z線領域の近くで,細いアクチンフィラメントの融解・消失によるものが多かった。(2)廃用2週間後の回復2週間群では,筋Mitの膨化・空胞化や高電子密度化などと,その周辺域の筋Mitのクリステに高電子密度性の板状構造物がより強く頻発した。光顕像による小空胞の多発部位を,低倍率電顕像で全体をみると多数の小空胞が出現し,廃用群より組織所見はむしろ悪化したものであった。これは,前述の筋Mit変性・消失,小胞体の拡大,筋原線維の融解・消失に由来している点が明瞭であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 阪井康友: "骨格筋における加齢ならびに運動負荷が及ぼす変化に関する研究-とくに超微形態学的ならびに筋ミトコンドリアDNAの遺伝子工学的観察-"博士(工学)論文(日本大学大学院理工学研究科). (2000)

  • [文献書誌] 阪井康友,他: "ラット廃用性筋萎縮に伴う筋ミトコンドリアDNAの変異および超微構造の変化"体力科学. 48・. 731 (1999)

  • [文献書誌] 阪井康友,他: "骨格筋の超微形体像と筋ミトコンドリアDNAの遺伝子工学的研究(第3報)-とくにラット・ヒラメ筋の発達ならびに廃用性筋萎縮のミトコンドリアの変化に関して-"第43回日本大学理工学部学術講演会講演論文集. 320-321 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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