研究課題
本年度は、リハビリテーションモデルによる在宅ケアアセスメント表の問題点をさらに詳細に検討するため、前年度に作製したアセスメント場面を撮影した事例ビデオを用いて調査を行った。対象は介護支援専門員め資格を有する作業療法士で経験年数は10年から15年までのベテランの経験者であった。調査の結果、アセスメント表については、重複項目があるので可能な限り整理し、項目数を削減することや、あわせて対策の1つにマニュアルの作成が検討課題としてあげられた。また、社会資源状況という項目と介護状況の項目の一部に関し、不明な内容があったので内容を明確にしていく必要があろう。次に、介護支援専門員の主観的判断ではなく、アセスメント表の項目内容に基づいて、ケアニーズの問題点を的確に導き出しているかどうか、作業療法士兼介護支援専門員に調査を行った。その結果、「ニーズへの対応の要約」表には、それに対応するアセスメント項目をみても詳しく記載されていなかった。中でも介護者への分析は、すべての項目ではないが介護面での評価に関して不明な点が見られた。これはアセスメントの項目をもとにニーズ表に付けているのではなく、介護支援専門員の主観的判断から、ニーズ表に落とし込んでいる可能性があると推察された。よって対策の一つとして、このアセスメント表では、介護者関連の評価項目は、「安全・安心ニード5」に主介護者の状態があるが、項目も少なく大まかであったり、ADL項目の箇所で個々に、介護状況をチェックするようになっているが、在宅生活の中で介護者は何に困っているのか、この項目だけでは不十分なので、追加・修正が求められると考えられた。