研究課題/領域番号 |
11835037
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
辻 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245639)
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研究分担者 |
正門 由久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10173733)
園田 茂 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10197022)
千野 直一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051531)
小宗 陽子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60296712)
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キーワード | 脳血管障害 / 片麻痺 / 体力 / 活動性 / 運動負荷 / 筋機能 / 脂肪 / 主成分分析 |
研究概要 |
脳卒中患者におけるフィットネスの評価、運動処方およびその効果判定の重要性が認識されつつあるが、通常のリハビリテーション(以下リハ)プログラムによるフィットネス全体の変化を総合的に分析した研究は皆無である。今回、フィットネスの構成因子の主軸をなす心肺系、筋肉系、代謝系の指標を取りあげ、脳卒中片麻痺患者に対する入院リハプログラム施行前後の変化を多面的に評価するとともに、その構造を統計学的に分析した。 [対象と方法]初回発作の脳卒中片麻痺患者107名に対して入院リハプログラムを施行、その前後で、身体所見、運動麻痺の程度、ADL、移動能力、活動性および心肺系(骨盤挙上負荷による心肺酸素係数、12分間移動距離)・筋肉系(握力、SlAS膝伸展筋力、等尺性膝伸展筋力、大腿筋断面積)・代謝系(Bodymass index、内蔵・皮下脂肪面積)のフィットネス評価を行い、各指標の入退院時の所見を比較した。次に全指標を対象に主成分分析を行い、フィットネス指標の特性を解析、各患者の主成分の個体得点も算出した。 [結果と考察]運動麻痺、ADL、歩行能力、活動性はもとより、フィットネスのほとんどの指標がリハ訓練終了後に改善したことから、特別な訓練処方を行わなくとも、通常のリハ訓練でフィットネスレベルの改善が得られることが示唆された。主成分分析の結果、麻痺・ADL因子、筋肉系因子、代謝系因子、心肺系因子の4つの主成分に分けられ、当初想定したカテゴリーとほぼ一致した。患者ごとの個体得点をプロットし、入退院時を比較すると、ほとんどが正常域の方向に移行していたが、患者ごとに各成分の得点分布にばらつきがみられたことから、より劣る因子を効果的に改善させるなど、訓練処方への応用も可能と思われた。
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