2000 年度実績報告書

運動および物理的刺激による細胞媒体三次元増殖と損傷の修復

研究課題

研究課題/領域番号	11835048
研究機関	吉備国際大学
研究代表者	平上二九三吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (60278976)
研究分担者	三宅信一郎 (財)三宅医学研究所, セントラルパーククリニック, 院長加納良男吉備国際大学, 保健科学部, 助教授 (70116200)
キーワード	ヒドロキシアパタイト / 繊維芽細胞 / 運動刺激 / 物理的刺激 / 三次元増殖 / 組織親和性
研究概要	運動刺激や物理的刺激を骨折の治療やリハビリテーションの早期から行なうことが重要であることが指摘されている。我々は、運動および物理的刺激効果を培養細胞と人口骨(HAP)を用いて迅速に調べる方法を開発した。すなわち細胞はC3H10T1/2を用い、運動および物理的刺激を与え、HAPと混合培養するとHAPの周りに300μm以上の幅で囲んで肥厚した細胞群が出現し、三次元増殖を行なうということを見い出した。平成12年度は、運動および物理的刺激として(1)超音波、(2)放射線、(3)振動刺激について検討した。 (1)超音波細胞に5W/cm^2で3秒、6秒、9秒照射しHAPと混合培養して7週後に観察したところ3秒では誘導がなかったが、6秒では約4倍、9秒では約5倍の誘導がみられた。 (2)放射線(レーザー光線)細胞に1joule(J)〜9J、16Jのレーザー光線を照射しHAPと培養し7週目に観察したところ1Jでは約7倍、9Jでは約5倍の高い誘導がみられたが、16Jでは対照の10分の1となり強い阻害作用を示した。 (3)振動刺激振とう機で17回転/分で6日間振とう刺激を与えた後、5週間静置培養したところ振とう刺激を与えなかったものに比べ9倍もの高い三次元増殖が誘導された。これらの結果、物理的刺激にはどれも適刺激があるということがわかった。上記各種の物理刺激と細胞内ストレス蛋白の一つであるMKK酵素との関連性について調べたところ、種々の刺激を与えるとMKK酵素は活性化していることがわかった。このことから、適度な運動および物理刺激を細胞に与えると、ストレス蛋白が活性化し三次元増殖形成に導いていることが考えられ、骨折の治療やリハビリテーションにおける運動刺激の効果は、遺伝子の活性化によっているということが示された。

研究成果
(6件)

すべてその他

すべて文献書誌 (6件)

[文献書誌] Kano,Y.,Motoda,H.,Hiragami,F. et al.: "SV40LT highly mutates and immortalizes two fibroblast strains from patients with Wilms'tumor."Cell Structure and Function. 24. 35-41 (1999)
[文献書誌] Kano,Y.,Nohno,T.,Takahashi R.,Hiragami,F. et al.: "Morphological Alteration of X-ray Induced Partially Transformed Human Cells by Transfection with a Small c-myc DNA Sequence."Biochemical and Biophysical Research Communication. 272. 887-894 (2000)
[文献書誌] Kano,Y.,Hiragami,F. et al.: "Comparsion of spontaneously transformed teroderma pigmentosum cells and partially transformed human diploid cells by x-irradiation. "Tiss.Cult.Res.Commun.. 19. 185-198 (2000)
[文献書誌] 加納良男,高口真一郎,平上二九三他: "神経系(末梢・中枢)に及ぼす漢方薬の有効性に関する細胞学的解析."慢性疼痛. 18. 66-63 (1999)
[文献書誌] 加納良男他: "ヒト老化変異細胞より単離したC-1遺伝子の解析."吉備国際大学保健科学部研究紀要. 4. 69-74 (1999)
[文献書誌] 加納良男,高口真一郎,平上二九三他: "神経再生研究のための薬剤高感受性細胞株の樹立."吉備国際大学保健科学部研究紀要. 5. 1-6 (2000)

2000 年度 実績報告書

運動および物理的刺激による細胞媒体三次元増殖と損傷の修復

研究代表者

平上 二九三 吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (60278976)

研究成果

[文献書誌] Kano,Y.,Motoda,H.,Hiragami,F. et al.: "SV40LT highly mutates and immortalizes two fibroblast strains from patients with Wilms'tumor."Cell Structure and Function. 24. 35-41 (1999)

[文献書誌] Kano,Y.,Nohno,T.,Takahashi R.,Hiragami,F. et al.: "Morphological Alteration of X-ray Induced Partially Transformed Human Cells by Transfection with a Small c-myc DNA Sequence."Biochemical and Biophysical Research Communication. 272. 887-894 (2000)

[文献書誌] Kano,Y.,Hiragami,F. et al.: "Comparsion of spontaneously transformed teroderma pigmentosum cells and partially transformed human diploid cells by x-irradiation. "Tiss.Cult.Res.Commun.. 19. 185-198 (2000)

[文献書誌] 加納良男,高口真一郎,平上二九三 他: "神経系(末梢・中枢)に及ぼす漢方薬の有効性に関する細胞学的解析."慢性疼痛. 18. 66-63 (1999)

[文献書誌] 加納良男 他: "ヒト老化変異細胞より単離したC-1遺伝子の解析."吉備国際大学保健科学部研究紀要. 4. 69-74 (1999)

[文献書誌] 加納良男,高口真一郎,平上二九三 他: "神経再生研究のための薬剤高感受性細胞株の樹立."吉備国際大学保健科学部研究紀要. 5. 1-6 (2000)

2000 年度実績報告書

平上二九三吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (60278976)

[文献書誌] 加納良男,高口真一郎,平上二九三他: "神経系(末梢・中枢)に及ぼす漢方薬の有効性に関する細胞学的解析."慢性疼痛. 18. 66-63 (1999)

[文献書誌] 加納良男他: "ヒト老化変異細胞より単離したC-1遺伝子の解析."吉備国際大学保健科学部研究紀要. 4. 69-74 (1999)

[文献書誌] 加納良男,高口真一郎,平上二九三他: "神経再生研究のための薬剤高感受性細胞株の樹立."吉備国際大学保健科学部研究紀要. 5. 1-6 (2000)