研究課題
基盤研究(C)
(1)多次元の区分拡大的な写像の力学系について研究した。1次元の場合にはLasota-Yorkeの定理と呼ばれる定理が知られており、c^2級以上を仮定すると常に絶対連続不変測度が存在することがしられている。ところが2次元以上の場合には一般にはC^r区分拡大的な写像には絶対連続不変測度が存在するとは限らないことを我々は反例を構成して示した。また、2次元においては区分的解析性を、3次元以上については区分線形であることを仮定すれば絶対連続不変測度が常に存在することを証明した。さらにそれらの場合には絶対連続不変測度の有限族の吸引の鉢がほとんど全ての点を含むことやそれらの性質についても調べた。(2)10個の2次写像を結合した大域結合写像の力学系について数値的に研究した。特に小室によってカオス遍歴が発見されたパラメータの周辺について詳しく解析した。その結果、不変部分空間上のアトラクターの分岐とそれに伴うon-off intermittencyが関係していることが分かった。また、カオス的遍歴がon-off intermittencyが不変部分空間の系列に沿って階層的におこることによって発生するいう考えに到達した。
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