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1999 年度 実績報告書

ゲームの発生と相互作用する動的認識ネットワークのダイナミクスの複雑さの研究

研究課題

研究課題/領域番号 11837003
研究機関東京大学

研究代表者

池上 高志  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10211715)

研究分担者 泰地 真弘人  文部省統計数理研究所, 助教授 (10242025)
キーワードゲーム / 動的認識システム / 力学系 / 人工生命 / 内部モデル
研究概要

本年度は、2つのことを中心に研究を押し進めた。最初に動的認識システムの力学系としての基本的性質を調べたこと、次に空間ゲームおよび3人ゲームへの応用を行なったことである。
最初の項目に関し、動的認識システムをバックプロパゲーションにより学習させることの難しさを、ネットワーク荷重の初期値に対する鋭敏性と異なる汎化パターンを持つアトラクターの分布構造にみることができた。
空間ゲームに関しては、相手のモデルを構成することの不安定性が研究の焦点である。相手のモデルが一意に確定せず、時間的に変動することで協調状態をつくり出すことが示された。また3人(仲間はずし)ゲームでは、お互いのモデルが確定するまでに非常に長い遷移状態を伴うこと、3人囚人ジレンマゲームでは2人ジレンマゲームでは見られなかった協調状態の獲得が、稀ではあるが、獲得されることが発見された。空間ゲームに関してはヨーロッパの人工生命国際会議で発表された。
この研究の大きな目的はこれを認知科学の理論として発展させることにある。そのこころみのひとつとして、言語的相互作用のモデル化をこころみた。このモデルでは、会話における「連続性」を仮定することで、動的認識システムをもとに相手の次の言葉を予測し合うモデルを構成した。その結果生じる談話のルールの生成や、会話の発展パターンなどについて解析中である。この結果は来る4月の「言語の起源」国際会議に受理され、発表予定である。
また動的認識システムではなく、そのより抽象的なモデルを使った3人Imitation gameの解析も行なっている。これは多人数の信念の時間構造について考察したものであり、国際会議で発表済である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ikegami,T.: "Evolvability of Machines and Tapes"J.Artificisl Life and Robotics. vol.3.No.4. 242-245 (2000)

  • [文献書誌] Ikegami,T.Taiji,M.: "Imitation and Cooperation in Coupled Dynamical Recognizers"Advances in Artificial Life (Springer-Verlag). LNAI1674. 545-554 (1999)

  • [文献書誌] Taiji,M.and Ikegami,T.: "Dynamics of Internal models in game players"Physica D. 134. 253-266 (1999)

  • [文献書誌] Harada,K and Ikegami,T: "Evolution of Multispecificity in an lmmune Network"Advances in Artificial Life (Springer-Verlag). LNAI1674. 427-431 (1999)

  • [文献書誌] Ono,N.and Ikegami,T.: "Model of Self-Replicating Cell Capable of Self-Maintenance(eds.Floreano,D.et al.)"Advances in Artificial Life(Springer-Verlag). 399-406 (1999)

  • [文献書誌] Sato,Y and Ikegami,T: "Undecidability of the Imitation Game"The proceedings of the AISB symposium (Imitation in Animals and Artifacts). 157-159 (1999)

  • [文献書誌] 池上 高志: "人工生命―来たるべき世界―"計測と制御. 38(10). 636-640 (1999)

  • [文献書誌] 池上 高志: "ゲームでみる生命の複雑さの理論 in 「ゲーム」"東京大学出版会. 105-144 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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