研究課題/領域番号 |
11837006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
小川 淳司 福井大学, 工学部, 助手 (70242584)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 動的カオス / 埋め込み次元 / ターケンスの再構成法 / ストレンジアトラクター / 国際情報交換 / ドイツ,カザフスタン,ロシア,スペイン,USA / Germany, Kazakhstan, Russia, Spain, USA |
研究概要 |
不安定点における定性的に新しいタイプの時空カオスの研究を行った。このカオスはある対称変換によって互いに移り変わる空間的に一様な状態をもった縮退系において起こり得る。長波長モードと対称性の破れを伴う不安定性に関連した短波長のモードとの間の結合が不安定点でのヵオスを引き起こす。一般化されたバーガーズ方程式において、コンピューターシミュレーションをベースとしたカオスの詳しい研究をおこなった。リアプノフ数のスペクトラムが固定されたコントロールパラメータに対して、様々な異なるシステムサイズにおいて得られた。リアプノフ次元、及びコルモゴロフ-シナイのエントロピーが計算され、それらがスケーリング性を有すること、すなわち系の体積が十分大きければ体積に比例して増大することを明らかにした。分布関数は、短波長、低周波数でガウス統計を満たすことが示された。12年度は、SMTのいくつかのバージョンの一般的側面、それらに対応する分散関係の対称性との関係、及び、いわゆるNikolaevskii方程式におけるSMTの特別な場合の統計的性質の詳細な研究に強調点が置かれた。 13年度は、それまでの成果をふまえ、動的カオスの非常に特殊な例として、経済物理学、特に実際の市場価格のダイナミクスに研究の焦点をあてた。我々は、動的カオスの理論の研究において得られた知識を、この問題で現れるタイプのカオスの定量的解析に適用した。非常に多くの例を扱うことが可能であることが明らかになったが、例えばUSDとJPY、XAUとUSD、及び石油などの交換レートを特に詳細に考察した。時系列からダイナミクスに対応するストレンジアトラクターの埋め込み次元を決定し、ターケンスの再構成法により位相幾何学的構造を再構成した。これらの研究から将来の市場価格変動の予測が、これまでに得られている予測精度に比べて高精度にできるようになった。
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