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1999 年度 実績報告書

細胞性粘菌の細胞集合体の形態形成運動の計算機シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 11837011
研究機関神戸商船大学

研究代表者

梅田 民樹  神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (90243336)

キーワード細胞性粘菌 / 細胞運動 / 形態形成 / パターン形成 / シミュレーション / 非平衡 / 非線形
研究概要

細胞性粘菌のアメーバは飢餓状態になると自発的に集合して細胞集合体を形成し、形態形成運動を開始する。細胞集合体の形態形成運動が、集合時と同様に環状アデノシンー燐酸(cAMP)の進行波により統制されていることを示すため、細胞集合体の運動のシミュレーションを行った。
具体的には、cAMP波の伝播を反応拡散方程式で表し、各細砲の出す駆動力をcAMP濃度の時間変化と勾配の関数として与える。また細胞集合体の運動は、集合体を連続体として扱い、単位体積当たりの力の釣り合い方程式と連続の方程式を連立させる。空間は2次元を仮定し、cAMPについては周期境界条件、細胞集合体については自由境界条件を課して、数値解を求めた。また、cAMP波の伝播が十分速いと考えた簡易モデルについても計算機シミュレーションを行った。
その結果、(1)簡易モデルについては、解析的な予想通りペースメーカー細胞を焦点とする楕円形に変形しながらの並進運動がみられた。また、駆動力の大きさの違う2種の細胞を仮定した場合には、集合体全体が運動しながら集合体内で細胞が選別される様子が観察できた。ただし、選別が進んで2種の細胞間の界面が形成された場合に計算が数値的に不安定化しやすいため、計算法にさらなる工夫が必要である。(2)cAMP濃度の反応拡散方程式を考えた場合についてはまだ端緒的な結果しか出ていないが、集合体の一部に自励振動を起こすパラメータを持つ領域(ぺ一スメーカー領域)を与えた場合、集合体内でcAMP波の伝播が起き、集合体の運動はやや密度むらが生じるものの簡易モデルの結果と良く似た結果になった。最近、2次元の移動体を作る実験系が開発され運動が観察されているので、今後シミュレーション結果との比較を行いたい。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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