研究課題/領域番号 |
11837013
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三池 秀敏 山口大学, 工学部, 教授 (10107732)
|
研究分担者 |
野村 厚志 山口県立大学, 国際文化学部, 助教授 (40264973)
羽野 光夫 山口大学, 工学部, 助教授 (70108265)
横山 悦郎 山口大学, 工学部, 助教授 (40212302)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | BZ反応 / 化学反応波 / 反応拡散系 / ラセン波 / 対流波 / 振動流 / マランゴーニ効果 / 界面変形 |
研究概要 |
非平衡・開放系の化学反応として知られるBelousov-Zhabotinsky(BZ)反応において、反応溶液をペトリ皿などの空間に展開した場合、ラセン波や標的状パターンなどの化学反応波が自己組織化されることは、反応・拡散系のパターンダイナミックスの枠組みで理解されて来た。筆者らは、化学反応波に伴う対流現象(ラセン波に伴う振動流や加速的に伝播するビッグウエーブに伴う対流)を見出し、そのメカニズムの解明を目的とする一連の研究を続けてきた。本研究では、特にラセン状化学反応波に伴う振動流やこれに付随して見出された対流波(Flow Wave)の示すパターンダイナミックスの理解を深めるために、実験と数値シミュレーションによるアプローチを行っている。昨年度までの研究で、一つ一つの化学反応波に付随するマランゴーニ効果(表面張力の不均一による対流)だけでなく、反応溶液全体における反応物質濃度の不均一(フェリインやブロムマロン酸)が表面張力のグローバルな不均一をもたらすことが重要で有る事を指摘していた。今年度の研究により得られた新しい知見は、以下の通りである。 1.直径の大きな反応容器を用いる事で、ラセン状化学反応波のラセンの中心から外に向かう対流波が観測された、 2.外向きに向かう対流波は、同心円状からラセン状に変化し、波長約1(mm)・回転周期約20(秒)・伝播速度約100(μm/秒)のラセン状化学反応波の反応拡散パターン中を、波長約60(mm)・回転周期約40(秒)・伝播速度約1500(μm/秒)のラセン状対流波が伝播する、 3.ブロムマロン酸とフェリインの濃度勾配を考慮できる、反応・拡散・対流モデルを導入し数値シミュレーションを行った結果、化学反応波の伝播に周期的不安定性が生じ、振動流の原因の一つとも考えられる対流構造の変動が観測された。 これらの結果は、2000年11月の国際会議を始めいくつかの研究会で報告した。また、2001年9月にドイツで開催予定のマランゴーニ対流に関する国際会議で発表予定である。
|