1モデルの設定 (1)主な計算機アルゴリズムを評価検討した。結果、従来の言語獲得・言語発達の計算機モデルに、いくつかの言語学的欠陥を確認した。同時に、ニューラルネットワークに拘らない計算モデル考案の必要性を確認した。 2新モデルのための理論的及び計量的な予備考察 (2)従来モデルにおける言語学的欠陥を補いうる、動態系言語モデルの可能性について、認知言語学の知見を中心に考察した。 (3)ドイツ語及びフランス語のジップ則(Zipfs Law)に関わる研究論文の翻訳化を完成した。 (4)既存データベース(源氏物語他)に特定のマイニングを実行し、ジップ則検証のための計量計算可能なデータベースを構築した。 3計算機実験 (5)多数の古日本語データベース等について、ジップ則の検証計算を実行した。 (6)上記の計算結果をもとに、ジップ則成立に関わるパラメタを計量した。 (7)人工語彙をモンテカルロ法により発生させ、多数の計算機実験を実行した。 (8)同上の実験結果データについて、各々のジップ則の検証計算を実行し、ジップ則成立に関わるパラメタを計量した。 4データ解析と考察 (9)同上のジップ則に関わる実験結果、及び、モンテカルロ法による人工語彙の発生計算とによって、新モデル設定に必要なパラメタに関する具体的なヒューリスティクスを得た。 5モデルの修正 (10)新モデル(ジップ則を評価関数とするモンテカルロ法シンボル発生計算による記号系発生モデル)の概念図とプランを完成した。
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