研究課題/領域番号 |
11838016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
福田 恵一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20199227)
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研究分担者 |
高橋 暁行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20265804)
佐野 元昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30265798)
安斉 俊久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60232089)
加藤 隆弘 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60276219)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | Cardiomyocyte / bone marrow / regeneration / adrenergic receptor / action potential |
研究概要 |
分子生物学の発達により遺伝子操作動物や人工臓器の研究が進歩し、遺伝子操作により細胞の運命を人工的に転換させることが可能となった。本研究では骨髄間質細胞を分化誘導することにより心筋細胞を作製し、心不全治療に応用しうるレベルに至るまでの基礎研究を目的とした。本年度の研究成果として、以下の点が上げられる。(1)CMG細胞の活動電位の変化:分化したCMG細胞は120-250/分の規則的調律で収縮を行う。CMG細胞の活動電位は洞結節細胞型と心室筋細胞型の2種類に大別され、その特徴は、(1)長い活動電位持続時間、(2)比較的浅い静止期電位、(3)ペースメーカー細胞に見られる静止期電位の緩やかな脱分極であった。心室筋細胞型では活動電位はPeak&Dome型を呈した。分化初期には洞結節型が多く、時間と共に心室筋細胞型が多くなった。心室筋型は静止期電位は深く、活動電位振幅は大きい傾向を示した。(2)CMG細胞のカテコラミン受容体の発現:心筋細胞にはカテコラミン、アセチルコリン受容体が多数存在し、心拍数・心収縮力の調節、心肥大の促進等の重要な心機能の調節に関与している。CMG細胞におけるカテコラミン受容体の発現をRT-PCR法により解析するとα1受容体の3種のサブタイプの内、α1A、α1B、α1Dすべてが最終分化誘導前より発現していた。CMG細胞をα1刺激薬であるフェニレフリンで刺激するとERK1/2の活性化が容量、時間依存性に観察され、この活性化はプラゾシンにより抑制された。β受容体に関してはβ1受容体、β2受容体が心筋細胞に分化誘導された後に発現された。CMG細胞をβ刺激薬であるイソプロテレノールで刺激すると細胞内cAMPの濃度が容量依存性に増加していた。以上よりCMG細胞はカテコラミンα1、β1、β2受容体をmRNAレベルだけでなく蛋白レベルでも発現しかつ生理機能を有していることが観察された。
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