研究課題/領域番号 |
11838020
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研究機関 | (財)生産開発科学研究所 |
研究代表者 |
岸本 一郎 財団法人 生産開発科学研究所, 成人病科学研究室, 研究員 (80312221)
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研究分担者 |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
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キーワード | ナトリウム利尿ペプチド / ナトリウム利尿ペプチド受容体 / グアニリルシクラーゼ / 遺伝子操作マウス / 心筋梗塞 / 虚血・再灌流 / レニン・アンギオテンシン系 |
研究概要 |
ナトリウム利尿ペプチド系はすくなくとも3種類のリガンド(ANP、BNP、CNP)と3種類の受容体(GC-A、GC-B、クリアランス受容体)からなる血圧・体液量調節系である。我々はすでにBNP遺伝子過剰発現マウス、BNP遺伝子欠損マウス、GC-A遺伝子欠損マウスの作製に成功し、ナトリウム利尿ペプチド系の生理的意義を明らかにしている。今回これらのマウスを用いてナトリウム利尿ペプチド系の病的心臓における意義を検討するが、その前段階としてマウスにおける実験的冠動脈閉塞再開通モデル作成法を確立した。この方法では従来までの方法と異なり虚血再灌流後長期的に観察することが可能であり、遺伝子操作マウスと組み合わせることで再灌流障害に及ぼす特定遺伝子の影響を直接検討することができる。次にナトリウム利尿ペプチド系とレニン・アンギオテンシン系との拮抗作用を検討する目的でGC-A遺伝子欠損マウスとAT1a受容体遺伝子欠損マウスとを掛け合わせdouble knock out miceの作製に成功した。現在その心・血管表現系を検討中である。さらにGC-A遺伝子欠損マウスの体液量調節障害を証明し、内因性ナトリウム利床ペプチド系の体液量調節における意義を明らかにした。また心臓特異的GC-A遺伝子過剰発現マウスの作製にも成功しており、今後これらの動物モデルを用いてナトリウム利尿ペプチド系の意義をさらに追求して行きたい。
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