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2000 年度 実績報告書

内分泌撹乱化学物質の雄性生殖能や次世代への悪影響に関する検討及びその予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11839013
研究機関千葉大学

研究代表者

森 千里  千葉大学, 医学部, 教授 (90174375)

キーワード内分泌撹乱化学物質 / マウス / 精巣 / 精巣上体 / サブトラックション法 / 複合汚染 / DES / DNA microarray
研究概要

平成11年度の当方の研究結果より、内分泌撹乱物質のヒトへの影響が懸念される胎児に内分泌撹乱物質の複合汚染が日本で現実に起こっていることが明確になった。ただ、化学物質のヒトへの影響を判定するには、遺伝的背景、さらに単独化学物質の影響ではなく、複合化学物質の相加効果等を含めたリスク評価を行わなければいけない。そのため、平成12年度では、内分泌撹乱物質によって発現が変化する遺伝子・遺伝子産物の検索をマウス雄性生殖能への影響をモデルとし、リスク評価に利用可能なバイオマーカーの検索やDNA microarray解析法の開発を試みた。研究内容としては、内分泌撹乱物質投与によってマウス精巣や精巣上体において発現が変化する遺伝子・遺伝子産物の検討を行った。
1.形態学的及び組織化学的手法による検討
合成女性ホルモンであるDiethylstilbestrol(DES)のマウス新生仔投与により、投与後2〜4週間後の精巣状態によって、精巣上体管の形態的未発達、エストロゲン・レセプターやエストロゲン反応遺伝子のラクトフェリンの発現変化が起こることが明確にした。これにより、組織化学的バイオマーカーとして、エストロゲン・レセプターやラクトフェリンが利用可能であることを示した。
2.サブトラクション法による検索
DESのマウス新生仔投与によって長期的に発現が変化する遺伝子を精巣と精巣上体でサブトラクション法によりクローニングした。その結果、精巣にて発現が誘導される遺伝子4つと抑制される遺伝子3つ、精巣上体にて誘導される遺伝子5つと抑制される遺伝子6つを得た。遺伝子解析の結果、その多くは新規のものであった。
3.DNA microarrayを用いた解析
8800遺伝子が載ったマウスcDNA Microarrayを用いて、DES、植物エストロジェン、ビスフェノールAのマウス新生仔投与における精巣での遺伝子発現の変化みた結果、DESと植物エストロジェンは似た発現変化パターンを示すが、ビスフェノールAは異なった発現変化を示すことが判明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Rocket JC: "The effects of hyperthermia on spermatogenesis, apoptosis, gene expression and fertility in adult male mice."Biology of Reproduction 2001. (in press).

  • [文献書誌] Mori Chisato: "Possible effects of endocrine disruptors on male reproductive function."Acta Anatomica Nipponica 2001. (in press).

  • [文献書誌] 森千里: "環境ホルモンヒトへの影響と対策の方向性"Journal of Endocrine Disruptor. 1. 203-212 (2001)

  • [文献書誌] Mori Chisato: "Endocrine disruptors and human Health : a minireview."千葉医学. 76. 209-218 (2000)

  • [文献書誌] Nakamura Noriko: "Alteration of programmed cell death and gene expression by 5-bromodeoxyuridine during limb development in mice."Toxicol Appl Pharmacol. 167. 100-106 (2000)

  • [文献書誌] Yanaka N.: "Insertional mutation of the murine Kisimo locus caused a defect in spermatogenesis."J.Biol.Chem.. 275. 14791-14794 (2000)

  • [文献書誌] 森千里: "環境ホルモンと経済社会"法律文化社. 12 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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