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2000 年度 実績報告書

内分泌かく乱物質の自己免疫疾患に与える影響およびそのメカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11839018
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

吉野 伸  神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00260729)

キーワード内分泌かく乱物質 / ビスフェノールA / 自己免疫反応 / II型コラーゲン / Th1 / Th2
研究概要

内分泌かく乱物質のTh1、Th2自己免疫反応に対する影響について検討した。
[方法]実験動物としてはDBA/1Jマウスを用いた。自己免疫反応を誘導するため、100μgの軟骨構成成分であるII型コラーゲン(type II collagen,CII)をアジュバント(CFA,LPS)とともに注射免疫した。Th1反応の指標としてCII免疫動物の脾臓細胞によってCII存在下in vitroで産生されるサイトカイン(IL-2,IFN-γ)およびTh1細胞依存性の抗CII抗体(IgG2a)産生、Th2反応としてTh2サイトカイン(IL-4,IL-10)およびTh2細胞依存性の抗CII抗体(IgG1)産生をELISA法によって測定した。また、CII特異的な脾臓T細胞の増殖反応を3H-thimidineの細胞内取り込みによって定量化した。内分泌かく乱物質として、エストロゲン受容体と結合可能な種々の用量のビスフェノールA(BPA)を免疫時から1日1回14日間経口投与した。
[結果・考察]BPA投与によってCII特異的T細胞増殖反応は促進した。このことから、BPAの免疫増強作用が示唆された。また、BPA投与群において用量依存的なIL-2,IFN-γおよびIgG2a抗体産生の増大がみられた。このことは、BPAのTh1自己免疫反応促進の可能性を示している。さらに、BPAはIL-4,IL-10およびIgG1抗体産生を促進したが、その程度はIL-2,IFN-γおよびIgG2a抗体産生の場合よりも小さかった。したがって、BPAはTh1およびTh2自己免疫反応の両方を増強すると思われるが、Th2よりもTh1反応に対してより強い促進作用を有していると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Shin Yoshino: "Bacterial lipopolysaccharide acts as an adjuvant to induce autoimmune arthritis in mice."Immunol.. 99. 607-614 (2000)

  • [文献書誌] Shin Yoshino: "The role of lipopolysaccharide injected systemically in the reactivation of collagen-induced arthritis in mice."Br.J.Pharmacol.. 129. 1309-1314 (2000)

  • [文献書誌] Shin Yoshino: "Anti-estrogenic activity of diesel exhaust particles."Biol.Pharm.Bull.. 23. 1477-1480 (2000)

  • [文献書誌] 吉野伸: "ディーゼル排気微粒子のアレルギーにおける役割"医学のあゆみ. 192. 971-974 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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