研究課題/領域番号 |
11839027
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
藤瀬 浩 麻布大学, 獣医学部, 教授 (40106232)
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研究分担者 |
池田 輝雄 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (60151297)
片倉 賢 群馬大学, 医学部, 助教授 (10130155)
落合 秀治 麻布大学, 生物科学総合研究所, 助手 (20247307)
猪俣 智夫 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (10147978)
代田 欣二 麻布大学, 生物科学総合研究所, 教授 (70147974)
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キーワード | LLC-PK1 / レーシュマニア / 多剤耐性 / P糖タンパク質 / コプラナーPCB / ビンブラスチン / 膜輸送 / 細胞内蓄積 |
研究概要 |
1)Co-PCB耐性の細胞選択: 寄生性原虫Leishmania amazonensis(La)、ブタ腎尿細管上皮細胞培養株(LLC-PK1)、ヒト腫瘍細胞株(KB3)を用い、陽性対照であるvinblastineのED50測定法を確立した。 2)Laの多剤耐性(MDR1)遺伝子クローニングと遺伝子導入細胞の作出: LaのMDR1遺伝子をクローニングして、MDR1導入株(Ls-MDR1)を作出した。このLa-MDR1はvinblastineほかに耐性を示したが(2倍)、発現量が少ないため細胞内輸送あるいは蓄積は不明瞭であった。今後、Laは耐性株の選択に使用することにした。 3)薬物輸送ポンプ活性と蓄積の検討: ヒトMDR1遺伝子導入LLC-PK1 (LLC-COL150)の経細胞層輸送をTranswellを用いて測定した。LLC-COL150では、陽性対照であるvinblastine、cortisolは正味の基底膜側から頂側膜側への輸送を示した。しかし、細胞内薬物蓄積は拡散輸送にも影響され両者で蓄積量が異なった。Co-PCBの代表として3,3'4,4'-tetrachlorobiphenyl (TeCB)を用いて、輸送と蓄積実験を行ったが、TeCBの細胞層トランス側への輸送は痕跡的であり、正味の頂側膜側への輸送を検出されなかった。また、細胞内蓄積は被検薬物のなかで最も高く、ヒト野生型P糖タンパク質ではCo-PCBを排出できなかった。 4)ヒトMDR1ミュータント遺伝子導入LLC-PK1の作出: Co-PCBを基質とするP糖タンパク質を探索するため、ミュータント遺伝子導入LLC-PK1を作出することにした。現在ヒトMDR1遺伝子のHis61に変異を導入したDNAを調製し、LLC-PK1への導入ベクターに組み込んでいる。
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