研究分担者 |
池田 輝雄 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (60151297)
片倉 賢 群馬大学, 医学部, 助教授 (10130155)
落合 秀治 麻布大学, 生物科学総合研究所, 助手 (20247307)
猪股 智夫 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (10147978)
代田 欣二 麻布大学, 生物科学総合研究所, 教授 (70147974)
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研究概要 |
ブタ腎由来培養細胞(LLC-PK1)およびLLC-PK1ヘヒトP糖タンパク質をコードするMDR1遺伝子を導入した細胞(LLC-COL)を,Transwellに頂側膜側が上部に配向する単層細胞層とし,Co-PCBの異性体の1つである3,3',4,4'-tetrachloro biphenyl(TeCB)の経細胞層輸送をcolchicine(COL)およびvinblastine(VIN)と比較した.その結果,野生型ヒトP糖タンパク質はTeCBを輸送しないことが示された.上記条件でP糖タンパク質によるCOLおよびVINの経細胞層輸送への,Co-PCBの異性体であるTeCBおよびPeCBの影響を検討した.両者ともにP糖タンパク質阻害剤であるverapamil(VER)およびcyclosporinA(CSA)同様,P糖タンパク質による薬物輸送を阻害した.Co-PCBは上皮細胞層で薬物排泄を阻害することで,毒性を発揮する可能性が示された. 野生型ヒトMDR1遺伝子を導入したヒト口腔癌由来培養細胞(KB3-1-H),およびそのHis61をPheあるいはSerに変異させた変異株(KB3-1-F、KB3-1-S)を用いて,COL,VIN,TeCBの蓄積,および阻害剤による蓄積の変化を検討した.MDR1遺伝子導入株のCOL,VINの細胞内蓄積は減少していたが,細胞株間で異なっていた.TeCBの蓄積は多量であり,細胞間で差はなかった.TeCBあるいはPeCB添加でKB3-1-FでのCOLおよびVIN蓄積が最大4倍倍増加しており、TeCBおよびPeCBは輸送基質ではないが、他の化学物質の輸送を修飾する結合基質となることが示唆された。
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