研究課題/領域番号 |
11871017
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鄭 仁豪 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80265529)
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研究分担者 |
原田 泰 筑波大学, 芸術学系, 講師 (00272188)
上北 恭史 筑波大学, 芸術学系, 講師 (00232736)
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キーワード | 聴覚障害児 / 擬態語 / 語彙発達 / 動的文字 / 語彙理解 |
研究概要 |
本年度における研究の目的は、(1)聴覚障害児における擬態語発達状況の把握、(2)実験用(指導用)動的文字の制作と有効性に関する予備実験といった2点であった。 (1)擬態語の発達状況に関する調査研究 (1)文献による調査研究:既存の聴覚障害児を対象とした語彙発達に関する研究等を参考に、聴覚障害児の擬態語の発達状況に関して文献による調査を行い、発達状況に応じ、Aレベル(小学校1年〜3年)、Bレベル(小学校4年〜6年)、Cレベル(中学校1年〜3年)の3つカテゴリによる分類を行った。 (2)実験語彙の選定: ・擬態語の選定:本研究では、Aレベルにおける擬態語の中で、日常生活の中で頻繁に使われるもの、その他の語彙に置き換えにくいものといった基準に一致した20の擬態語を選定した。 ・妥当性の検討:これらの20語に対する妥当性検討(聾学校教師3名)の結果、15の擬態語が精選された。 (2)予備実験 (1)実験材料の制作:15の擬態語が、静画面における文の中の擬態語、動画面における文の中の擬態語、擬態語を表すイラスト動画といった3つの条件において制作された。 (2)サンプル動画等の妥当性の評価:15の擬態語に対して、大人15人により、上記の3つの条件における評定が行なわれ、妥当性の低い(各条件において全体平均より低いもの)3語を除いた12語が実験用語彙として確認した。 (3)予備実験:聾学校に在籍中の3人の聴覚障害児を対象に、12の擬態語の理解及び指導に関する実験を行い、動的文字の指導への有効性につながる示唆(文字の動きにより意味がわかりやすい、イラストの提示により動的文字による理解の不安が確定される、非常におもしろい、いろんな単語に対して教材を作ってほしいなどの示唆)が得られた。
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