本研究では、東北地方の二つの町(山形県金山町、岩手県藤沢町)のまちづくりの展開過程を整理し、「行政主導型の住民参加型まちづくり」が「協働型のまちづくり」に転換したプロセスを明らかにし、それをとおして、協働型まちづくりの成立条件を探求する。 協働型まちづくりが成立するには、次の4つの条件が必要であった。第一の条件は、行政が、自治・参加・協働を理念をもち、行政組織の改革や職員の意識改革を進めることである。第二に、住民の意識改革、自治組織づくり、まちづくり活動の活性化をはかることである。第三は、地域計画づくりの過程で、行政と住民の間、さらに、住民間で地域ビジョンを共有化することである。第四には、地域における協働のシステムが創り上げることである。 まちづくりは協働のシステムを育ててきたと同時に、協働のシステムはまちづくりを一層進める手段を提供している。こうした条件のなかで、「共のまちづくり」が成熟してゆくのである。 この研究と並行して、青森県相馬村の地域計画と地域づくりの調査を行った。
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