本年度は、研究代表者および分担者に大学院学生を加えた研究会を組織し、(1)関連業績の検討、(2)基本文献の収集、(3)基礎データの作成を進めた。 関連業績の検討では、主として心理学におけるTAT(主題統覚検査法)に関する論文の輪読を継続的に行い、この方法の特長と問題点、一般の非定型データ分析への適用可能性を検討した。あわせて、類似の研究を行っている高橋和子(敬愛大学)、川端亮(大阪大学)、石川由香里(活水女学院短期大学)の三氏の報告を聞き、討論を行った。高橋氏は、職業経歴調査における職業(自由回答)の自動コーディングシステム構築結果の報告を行った。川端氏は、調査における自由回答分析のためのコンピュータプログラムと、新宗教教団活動の分析例を紹介した。石川氏は、通常以上の困難が予想される幼稚園児や小学校低学年児に対する聴取調査の経験と、調査結果の分析方法についての報告を行った。 次年度以降は、主として調査対象者が自分で記述した作文、日記等の文章データの処理・分析法を検討する予定である。そのためのデータとして、研究代表者がかつて収集した世界各国児童の作文(「日本」 「日本人」がテーマ)を用いることとし、電子媒体への入力作業を行った。
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