研究の2年目にあたり、インタビューによる質的調査とアンケートによる量的調査を実施した。年度の前半は前年度より継続しているSOHO(Small Office Home Office)経営者へのインタビュー調査が中心となった。最終的には20ケースほどの聞き取りとなったが、多様な業種のSOHOをめぐる現状について、詳細な知見を得ることができた。 年度の後半は、起業にまで至らない在宅就業者を対象として、アンケート調査を実施した。従来の量的調査は、ランダムに選定した企業における在宅就業者を対象としたものか、あるいはWeb上でのオンラインアンケートが主流であった。前者は、在宅就業者を使用している企業の割合が低いため、回答率が非常に低くなる傾向が強く、後者は母集団が特定できない(または、もともと存在しない)という難点をもつ。そこで、今回の調査では、在宅就業の仲介業務を行っている企業の登録者を調査対象とすることにした。 いくつかの候補企業のなかから、システム開発系・デザイン系・入力系等の様々な分野の在宅就業者が、幅広く登録している企業を選定し、2段階のサンプリングを行ったうえで、アンケート調査を実施した。現時点では調査の集計作業をすすめている。
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