研究概要 |
電子メディアを媒体としたコミュニケーションがどのような心理・社会的影響を及ぼしているかを明らかにするために、最新の文献研究,さらには調査研究を実施した。とりわけ、コンピュータを媒体としたコミュニケーション(CMC=Computer Mediated Communication)に着目し,電子メールおよび自筆文章による発信態様および受信態様のそれぞれの比較分析を試みた。分析にあたっては,Halliday(1973)による言語機能分類を採用した。その結果,調整機能および個人的機能においては極めて類似するが,道具的機能および相互作用的機能においては,他のコミュニケーション手段を介した場合よりも,著しく数値が増すことが判明した。また、CMCがどこまで人間の感性を伝え得るかを探るために、敢えて日頃コミュニケーションに対して敏感であると思われる聴覚障害者とゼミ学生との間でのメーリングリストによるネットワーク化を構築し、多角的な視点から資料が得られるよう努めた。ネットワーク交流に際しては鳥取県立鳥取聾学校への協力を正式に依頼して承諾を得たものである。さらに、9月には電子メディアを介在させた授業を積極的に導入しているフランスの聾学校をも訪問し、我が国との比級分析のための資料収集をとりおこなった。本年度における取り組み過程で得たデータおよび研究成果に対しては、1999年11月20日に開催された第54回日本道徳教育学会において、中間発表としてとりおこなった。
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