平成11年度は、以下の調査活動を中心にして、3人が作業を分担して研究をすすめた。 (1)井ノ口は、内外の図書館において『世界図絵』等コメニウス関係文献の所蔵調査を行った。国内では、金沢大学、東京大学、名古屋大学等の図書館で調査をした。海外ではチェコ共和国において、プラハのチェコ科学アカデミー哲学研究所、コメニウス博物館、国立博物館等でコメニウス関係文献を閲覧し、ウヘルスキー・ブロトのコメニウス記念館でも文献の複写をした。 (2)上記の調査も参考にして、「コメニウス関係文献目録」を2種類作成した。 (3)チェコの調査で入手した『世界図絵』の1662年版のマイクロフィルムについて分析した。これはゴンザとボグダーノフが翻訳に際して底本とした可能性が高いと見られる版である。 (4)佐々木は、ドイツのゲッチンゲン大学においてアッシュ・コレクションの調査にたずさわった。 (5)上村は、ゴンザ方言の特徴的な語彙を選び、鹿児島県下各地における残存状況を調査した。 (6)上村と井ノ口は、国際日本文化研究センター客員教授のヴラディスラブ・ニカノロヴィッチ・ゴレグリャード博士を訪ね、鎖国時代のロシアにおける日本水夫たちについて研究指導を受けた。 以上のように、当初に計画していた活動は、ほぼ実施できた。
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