平成12年度は、以下の調査活動を中心にして、3人が作業を分担して研究をすすめた。 (1)井ノ口は、スペインのサラマンカ大学図書館を訪ね、コメニウス関係文献の調査をした。 (2)上記の調査も参考にして、「コメニウス関係文献目録」を作成した。 (3)『世界図絵』の1662年版のマイクロフィルムについて引き続き分析を継続した。 (4)佐々木は、平成11年度にドイツのゲッチンゲン大学においてアッシュ・コレクションの調査にたずさわったが、その際入手した資料をもとにして論文を執筆した。 (5)上村は、ゴンザ方言の特徴的な語彙を選び、鹿児島県下各地における残存状況を引き続き調査した。 (6)井ノ口は、ベルリンで開催された「ドイツ・コメニウス学会」に参加した他、9月にスペインで開催された国際教育史学会第22回大会において、コメニウスの『世界図絵』の挿絵に関する発表を行った。 (7)今年度の実績として特筆すべきことは、ゴンザとソウザが1734年2月1日に自ら書いたメモを発見したことである。これによって、二人の名前がゴンザエモンとソウザエモンであることがわかッた。二人は、従来推察されていた以上に多くの漢数字やいろは仮名文字を書くことも明らかになった。 以上のように、当初の計画を上回る活動が実施できた。
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