1 戦前の高等女学校の学科目「教育」の教科書分析 1907(明治40)年6月現在における高等女学校の「教育」教科書26種のうち、使用校数上位5種を分析した結果、次の知見が得られた。 (1)「教育」は、親としての資格を得させることを目的とした学科目であった。 (2)学齢期の子どもの教育についての分担関係では、知育と体育は学校教育・徳育と衛生の教育は家庭教育が担うとされていた。 2 現行・高等学校「家庭一般」の教科書分析 2001(平成13)年度現在における高等学校の「家庭一般」教科書13種のうち、採択占有率上位4種の共通内容「乳幼児の保育と親の役割」を分析した結果、次の知見が得られた。 すなわち、親の役割として期待されていることは、生活習慣の習得、発育状態に対応した食事の提供、正い食習慣の習得、発達に応じた被服の提供、遊びの環境づくり、健康管理と病気予防、事故予防であり、体育に関する事項が多かった。
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