この研究は、政治学教育、なかでも「時代的転換期」における政治学教育の現状を把握し、その問題点と困難性を克服し、新しい政治学教育の在り方を追求するものである。その際、これまで、ともすると見落とされがちであった「学生と共に」という視点に立ちつつ、若干の提言を行い、体系的な政治学教育論を目指す準備作業ともなるものである。 3年計画の2年度においては、初年度に引き続き、このテーマに関する基礎的資料の収集した。そのなかには、同じく「時代的転換期」にある韓国の政治学関係資料も含まれている。また、韓国の政治学関係に詳しい出水助教授に研究分担者となっていただき、日韓の比較研究をも可能とする体勢を整えた。 2年度の実態調査としては、九州の各大学の政治学担当教員、学生、院生などからヒアリング調査を実施した。さらに3月には、韓国ソウルにおいて、高麗大学を始めとするいくつかの大学の政治学関係の教員から具体的な状況をお聴きし、討論をする予定にしている。 また、本テーマに関する研究会を、福岡において合宿形式にて3回行い、主として若い研究者から鋭い意見をいただいた。 この2年度の研究において、ほのかに問題の輪郭が見えてきた感じがしている。
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