研究分担者 |
島田 伊知朗 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10235616)
山下 博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30192793)
吉田 知行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002265)
宮岡 洋一 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50101077)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
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研究概要 |
アーベル多様体のModuli空間A_<g,N>のコンパクト化についての研究について述べる。A_<g,N>のコンパクト化はこれまで多くの人々によってさまざまに研究されてきた。しかし,これまで得られたコンパクト化は主として空間としてのコンパクト化であって,正しくModuli空間としてのコンパクト化と見ることはできない。次に述べるようなA_<g,N>のもっとも自然な幾何学的なコンパクト化は得られていなかった。 すなわち,コンパクト化SQ_<g,N>の各点はあるコンパクトな退化した(あるいは非特異な)アーベル多様体が対応し,この空間SQ_<g,N>上にはその正則な普遍的な族Z_<g,N>があって,SQ_<g,N>はZ_<g,N>のFibreのZ上のFine Moduliになる。但しN【greater than or equal】3。 幾何学的なコンパクト化のための自然な方法,すなはち,"よい"コンパクトな退化したアーベル多様体を見つける方法は3つある,(1)Stability(Mumford GIT)(2)テータ関数によるEmbeddingの極限,(3)MumfordのOne-parameter family。 三つの方法を平行して適用すると,(2)(3)のなかで最も自然なものが抽出できる。その結果,三つの方法から同一のよいコンパクトな退化したアーベル多様体を得,すべて同じコンパクト化SQ_<g,N>を与える。用語の説明を省いて主要結果をのべると, 定理 アーベル多様体のモジュライ空間はprojectively stable quasi-abelian schemes with level G(K)-strusturesのモジュライ空間としてコンパクト化される。
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