研究課題/領域番号 |
11874001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 郁 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50022687)
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研究分担者 |
吉田 知行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002265)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
宮岡 洋一 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50101077)
島田 伊知朗 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10235616)
山下 博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30192793)
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キーワード | 楕円曲線 / モジュライ / レベルN構造 / Abel 多様体 / Stability / コンパクト化 |
研究概要 |
楕円曲線のモジュライ理論は、古典的にはレベルN構造を持つ楕円曲線のモジュライがよく知られている。レベルN構造を持つ楕円曲線とは、楕円曲線とそのN等分点の群構造の対を言う。われわれは高次元への一般化を念頭において、新しいレベルN構造を定義する。これは楕円曲線とそのN等分点の群の引き起こす線形変換の対を言う。一般の族を考える場合にはN等分点の存在を仮定しない。したがって、ふたつのレベルN構造は大域的には異なることがありうる。実際、[Terasoma-Nakamura]の中ではNが偶数だとふたつの理論は異なり、奇数だと同一であることが証明された。にも関わらず、1次元の特殊性で、モジュライ空間は同型であることが証明される。 一方、Abel多様体のモジュライの新しいコンパクト化が構成できた。これについて現在論文「A new compactification of the moduli of abelian varieties over Z[ζ_N,1/N]」を執筆中である。Inv.Math.(1999)の中ではStabilityのの立場からコンパクト化(Fine moduli)を構成したので、Abel多様体の極限としては構造層がべき零元を持つこともあった。そこで今回はStabilityを犠牲にして、その代わり構造層がべき零元を持たないものをとった場合にも、モジュライのコンパクト化が可能かどうかを考察した。その結果、Abel多様体の極限としては構造層がべき零元を持たないもののみをとると、モジュライとしていくぶん悪くなるがやはり、モジュライのコンパクト化が構成できることが判明した。
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