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1999 年度 実績報告書

代数幾何学的手法によるモンスターの研究

研究課題

研究課題/領域番号 11874004
研究機関名古屋大学

研究代表者

金銅 誠之  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50186847)

研究分担者 吉川 謙一  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20242810)
北岡 良之  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022686)
向井 茂  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
キーワードK3曲面 / 自己同型群 / Mathieu群 / Niemeier格子 / Leech格子 / Kummer曲面 / Monster / Rademacher定数
研究概要

1.K3曲面に自己同型群として作用する有限群を決定することは、高次元代数多様体の研究への応用もあり、重要な問題である。K3曲面の周期に自明に作用するsymplecticな自己同型からなる有限群は完全に分類されているが、一般の場合は未解決である。この研究では、K3曲面に作用する有限群の位数は3、860以下であることを示した。さらに、位数が3、860である場合、K3曲面、およびこれに作用する有限群は同型を除き一意的であることを示した。位数の上からの評価の証明のポイントは、symplecticな自己同型からなる部分群は階数24の特別な性質を持つNiemeier格子の自己同型群の部分群として実現できることを用いる点である。また位数3、860の有限群の存在証明にはNiemeier格子のなかでも特別なLeech格子の幾何学を用いる点である。Niemeier格子、およびLeech格子は有限単純群モンスターの構成に深くかかわっており、上記の点はK3曲面とモンスターの間のまだ見つかっていない関係を示唆するものと予想している。
2.K3曲面にsymplecticに作用する自己同型のK3格子上への作用の指標が、Mathieu群M_<23>の24点集合への自然な作用の指標と一致する点は著しい性質としてしられている。この指標は任意の自然数に対して有理数に値を取る、数値的関数として定義できる。この研究では、non-symplecticな自己同型に対応する、この数値的関数の値が、モンスターの共役類のRademacher定数に一致することを見い出した。この点から今後、モンスターとK3曲面の間の関係をさらに研究してゆく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Kondo: "On the Kodaira dimension of the moduli space of K3 surfacesII"Compositio Mathematica. 116. 111-117 (1999)

  • [文献書誌] S.Kondo: "The maximum order of finite groups of automorphisms of K3 surfaces"American Journal of Mathematics. 121. 1245-1252 (1999)

  • [文献書誌] S.Kondo: "A complex hyperbolic structure for the moduli space of curves of genus three"Journal fur die reine und angewandte Mathematik. (発表予定).

  • [文献書誌] K.-I.Yoshikawa: "Discriminant of theta divisors and Quillen metrics"Journal of Differential Geometry. (発表予定).

  • [文献書誌] 向井茂: "モジュライ理論II(現代数学の展開、青本和彦等編)"岩波書店(出版予定).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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