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1999 年度 実績報告書

非線形可積分系の法素数還元

研究課題

研究課題/領域番号 11874030
研究機関熊本大学

研究代表者

原岡 喜重  熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)

キーワード正標数体上の微分方程式 / Grothendieck予想 / パンルベ方程式 / ソリトン
研究概要

本研究は、非線形可積分系の法素数還元を考えることで、特殊解の系列や可約性などがどの様に発現するかを調べると同時に、標数ゼロの場合との違いに注目し、新しい研究の可能性を拓くことを目的にしている。本年度は、例の計算・情報収集により研究素材を充実させ、研究の方向を具体化する計画であった。
例としては、パンルベII型方程式の法素数還元を計算した。パンルベII型方程式はパラメターが整数値の時有理関数解を持ち、それ以外の解は超越的であることが知られている。ある整数パラメター値に対して、標数pの素体を係数体とする形式ローラン級数解の存在を調べる。級数の係数の満たす漸化式を標数ゼロで解き、分母にpが現れないかどうかを見る。計算機による実験結果と論理的追跡を合わせると、有理関数解以外は標数pでは存在しないことがほぼ確かめられた。また多くの研究者との研究打ち合わせを通して、様々な研究方向の示唆を受けた。
それらの結果として、いくつかの研究の方向が具体化された。超越的な解が標数pに還元して生き残らないような、線型方程式に近い可積分系を特徴づけることが一つ。超越的な解が標数pに還元しても生き残るとき、それは元の可積分系の隠れた対称性を現していると考えられる。そのような今まであまり扱われていない数論的対称性の研究が、今一つの方向となる。また、解をパラメトライズする空間の代数幾何的構造を法素数還元することは、非常に興味深く、自然で重要な研究の方向である。さらに、ソリトン解は超越的なため、通常の法素数還元ではつかまえられないと思われるが、他の解と区別できるような還元法を構成することにより、研究の大きな発展の可能性が開けてくる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshishige Haraoka: "Quadratic Relations for Confluent Hypergeonetric Fumtions in Z_2, n+1"Funkcialay Ekvadioy. 42・3. 435-490 (1999)

  • [文献書誌] 原岡喜重: "Pfaff系に対するモノドロミー保存変形"数理解析研究所講究録. 1133. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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