自作のヒートパルス式自記地下水湧出量計による連続測定を、大阪湾沿岸海底地下水湧出量を明らかにするために、湾内3箇所において継続して測定を行った。地下水湧出量の連続測定とパワースペクトル解析の結果、海底湧出量は半日周期の潮汐の影響を強く受けていることが明らかになった。また、7日から10日程度の周期を有する地下水湧出量の変動も明らかになり、これも海面と陸域地下水位との差で決定される動水勾配の変動で説明できた。また大阪湾への地下水湧出量を推定するために、大阪湾沿岸に位置する深井戸観測井10箇所において測定した地下水温鉛直分布の解析の結果から、上向き地下水流動の存在を明らかにすることができた。帯水層の温度拡散率の推定を行った後、移流拡散式による地下水湧出量推定の解析を行った結果、自記湧出量計によって実測された地下水流出量と整合性のある結果が得られた。
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