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2000 年度 実績報告書

レーザープラズマX線による時間分解X線構造解析の可能性と装置設計

研究課題

研究課題/領域番号 11874080
研究機関大阪市立大学

研究代表者

中島 信昭  大阪市立大学, 理学部, 教授 (00106163)

研究分担者 阪部 周二  大阪大学, 工学研究科・電子情報エネルギー工学専攻, 助教授 (50153903)
八ッ橋 知幸  大阪市立大学, 理学部, 助手 (70305613)
キーワードレーザープラズマX線 / フェムト秒チタンサファイヤレーザー / クーロン爆発 / ベンゼン / C_<60>
研究概要

超短パルスレーザーを用いたX線構造解析を目的とし、フェムト秒レーザーの安定運転、また、分子クラスターからのX線発生、レーザー光の集光の実験、両方を念頭におき、C_<60>、ベンゼンのクーロン爆発の実験を行った。これらはJ.Chem.Phys.など3報、日本語解説に1報、報告した。
1.超高出力のフェムト秒レーザーの安定運転
1.1 フェムト秒チタンサファイヤレーザー チタンサファイヤレーザー3段多重増幅レーザーを改良しつつ、用いた。(大阪大学レーザー核融合研究センター、研究分担者、阪部グループ)チャーブパルス増幅、最後にグレーティングペアによる圧縮等最先端技術を駆使し、高い強度で安定運転ができるようにした。(最高88fs,500mJ,10Hz)また、ビーム配管は真空パイプとし、長距離(30m)をビームが歪まないように伝搬できるようにした.
1.2 どこまで集光できるか 高い効率のX線発生効率の鍵は、レーザーの集光強度である。軸はずし放物面鏡を計画しているが、今年度もアクロマティックレンズを用いた。照射レーザーエネルギーは120mJ,パルス幅120fsのとき、集光強度を8×10^<16>Wcm^<-2>と推定した。ビームパターンの実測、Xe多価イオンの検出によりこれを確かめた。
2. C_<60>、ベンゼンのクーロン爆発
ベンゼン、C_<60>などの大きい分子にレーザーを集光照射すると、クーロン爆発が起き、そのまえにX線変換が期待できる。表題の分子を10^<16-17>Wcm^<-2>のレーザー強度調べた。両方から、1〜4価の炭素イオンが観測された。多価の炭素イオンはレーザーの偏光方向に強く放出された。計算器シュミレーション(MD)により、観測値の運動エネルギー分布をほぼ再現でき、炭素原子間での電子ホッピングが示唆された
今後はC60、ベンゼンの代わりに金属クラスター、金属錯体をターゲットとし、X線発生とその性質を詳しく調べる計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 中島信昭,八ッ橋知幸,阪部周二 他: "Large molecules in high-intensity laser fields"Journal Photochemistry and Photobiology C : Photochemistry Reviews. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] 江潤卿,中島信昭,阪部周二 他: "Anisotropic Coulomb explosion of C60 irradiated with a high-intensity femtosecond laser pulse"The Journal Chemical Phyics. 112-11. 5012-5020 (2000)

  • [文献書誌] 清水政二,中島信昭,阪部周二 他: "Coulomb explosion of benzene irradiated by an intense femtosecond laser pulse"Chemical Physics Letters. 3/7. 609-614 (2000)

  • [文献書誌] 中島信昭: "高強度レーザーによるC60、ベンゼン等のイオン化とクーロン爆発"放射線化学. 70-9. 36-39 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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