研究概要 |
両オルト位に置換基をもつN,N-ジアルキルベンズアミドには、芳香環炭素とアミドカルボニル炭素間結合での回転障害にもとずくアトロプ異性体が存在する。これらアトロプ異性ベンズアミドを面不斉を有するアレーンクロム錯体より、光学活性体として合成することを検討した。芳香環面不斉のオルトメチルベンズアミドクロム錯体をオルトリチオ化し、ついで種々の親電子試薬を反応させ、最後にクロムを除去して、軸不斉ベンズアミドの両光学対掌体をそれぞれ純粋な光学純度で合成することができた。さらに、メソ体のN,N-ジアルキル2,6-ジメチルベンズアミドクロム錯体に、キラルリチウムアミドを反応させどちらか一方のメチル基をエナンチオ選択的にリチオ化し、ついで親電子試薬を反応させ軸不斉ベンズアミドクロム錯体を高い光学純度で合成した。同様に、クロムトリカルボニル基を除去しN,N-ジエチル2,6-ジ置換ベンズアミドの軸異性体を光学活性体として合成した。
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