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2000 年度 実績報告書

ダイヤモンド薄膜結晶の電子帯構造と負性電子親和力

研究課題

研究課題/領域番号 11875007
研究機関神戸市立工業高等専門学校

研究代表者

西野 種夫  神戸市立工業高等専門学校, 教授, 校長 (60029452)

研究分担者 喜多 隆  神戸大学, 工学部, 助教授 (10221186)
キーワードダイヤモンド / NEA / 光電放出 / カソードルミネッセンス / 変調分光
研究概要

本年度はダイヤモンド薄膜結晶からの光電子放出現象に着目して電子帯構造とNEAの関係すなわち電子親和力の評価を行った。水素などの吸着原子で表面電子状態とNEAの安定化を目指した。安定なNEA半導体エミッターを実現するためこれまでに構築してきた真空紫外分光技術を駆使してダイヤモンド薄膜結晶の電子帯構造とNEAを決める関係について明らかにした。特に、我々のグループにおいて独自に開発した電子顕微鏡(SEM)と一体化した局所領域電子線変調反射分光システムを用いて基礎吸収端光学遷移のみならずブリュアンゾーン全域わたって高エネルギーバンド間遷移をキャッチする事に成功し。これによりNEAの元になっている電子帯構造、特に基礎吸収端との関係を明らかにすることができた。具体的には(1)電子ビーム励起による真空紫外分光システムを利用していずれのサンプルでもカソードルミネッセンス・スペクトルを明瞭に観測した。中でもダイヤモンド多結晶薄膜で信号が観測されたのは特筆できる。(2)熱変調反射測定により5.5eV近傍に基礎吸収端でのフォノン放出に関係した信号を明確にとらえることに成功した。ダイヤモンドの基礎吸収端は間接遷移型であることからこれまでにほとんど観測例はなかったが、このように発光と同時に精密に基礎吸収端を観測できたことの意義は極めて大きいと考える。(3)これら分光評価の結果、ダイヤモンド薄膜において結晶欠陥が関係すると考えられるゼロフォノン吸収が強く観測され、薄膜作成条件によって基礎吸収端構造が強く影響を受けることが分かった。(4)一方、電子放出スペクトル測定のための新しいシステムを構築し励起波長によって明瞭は放出特性の違いを観測するとともに今後のこのシステムを用いたスペクトル分光評価の発展に大きな指針を与えることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Kita: "Dynamic Process of Two-Dimensional InAs Growth in Stranski-Krastanov Mode"Physica E. Vol.7. 891-895 (2000)

  • [文献書誌] T.Kita: "Time-Resolved Observation of Anti-Stokes Photoluminescence at Ordered Ga0.5In0.5P and GaAs Interfaces"Journal of Luminescence. Vol.87-89. 269-271 (2000)

  • [文献書誌] K.Yamashita: "Initial Stages of InAs-Quantum Dots Formation Studied by Reflectance-Difference Spectroscopy and Photoluminescenc"Inst.Phys.Conf.Ser.No.166. Chapter 4. 239-242 (2000)

  • [文献書誌] T.Kita: "Self- Assembled Growth of InAs-Quantum Dots and Postgrowth Behavior Studied by Reflectance-Difference Spectroscopy"Applied Surface Science. Vol.159-160. 503-507 (2000)

  • [文献書誌] T.Kita: "Optical Characterization of Synthetic Diamond Films"SPIE. Vol.4086. 535-539 (2000)

  • [文献書誌] T.Kita: "Inelastic Phonon Scattering in Long-Range-Ordered (Al0.5Ga0.5) 0.5In0.5P"Phys.Rev.B. (印刷中). (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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