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1999 年度 実績報告書

エネルギーフィルター電界放射顕微鏡による表面吸着電子状態解析の試み

研究課題

研究課題/領域番号 11875009
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

富取 正彦  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (10188790)

研究分担者 新井 豊子  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (20250235)
キーワード電界放射 / 針状試料 / トンネル過程 / 共鳴トンネル過程 / 非弾性トンネル過程 / エネルギーフィルター / 表面電子状態 / 分子吸着
研究概要

本研究では、阻止型エネルギーフィルターを利用することによって、針状試料先端から電界放射される電子の放射パターンをエネルギー選択しながら拡大投映できる電界放射顕微鏡(FEM)-エネルギーフィルターFEM(EF-FEM)-を構築する。電界放出電子のエネルギーを分解能よくフィルター制限してFEM像を観察することにより、針先端の吸着原子・分子から共鳴・非弾性トンネル過程で電界放出されるエネルギー的に特徴をもった電子放射パターンを選択的に観察できる。即ち、針先のどの吸着位置でエネルギー損失過程が起きているか、またはゼロ損失であるか、針先端の電子状態のエネルギー依存性を直視的に評価できる。この装置は従来のFEMをベースにCCDカメラと阻止型のエネルギーフィルター(LEED/Auger)を組合せて完成させる。今年度は、現有の超高真空チェンバーに取付けたLEED/Auger分析器を稼動させ、その性能テストを行い、十分なエネルギー分解能があることを確認した。また、真空ベークに工夫をし、到達真空度1.5×10-^<11>Torrを達成した。この真空度は試料表面への吸着分子に敏感なFEM像観察に必須のものである。そして、針状試料の先端をLEED/Auger分析器の中心点に設置して負の高電圧を印加できるステージを設計・製作した。現在、グリッド電圧を変化させて撮影した像と記録してあった像の差分を計算して画像を構成し、特定のエネルギーをもつ電界放射電子の放射パターンを構築できるプログラムを試作している。異種原子・分子が吸着した領域から放射される電界放射電子スペクトルには、共鳴トンネル効果や非弾性トンネル効果に基づく構造が観測されるので、今後、様々なエネルギーでの放射パターンをコンピュータ・ディスプレイ上で観察する予定である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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