• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

光照射をセシウム光電離と電極加熱に利用する高効率熱電子発電器の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11875021
研究機関静岡大学

研究代表者

神藤 正士  静岡大学, 工学部, 教授 (60023248)

キーワード発電効率 / エミッタ温度 / 光トラップ付エミッタ / 太陽エネルギー / 仕事関数 / 光吸収率
研究概要

太陽エネルギー利用熱電子発電器のエミッタ温度T_Eおよび発電効率ηの評価を行った。太陽エネルギーのみを熱源とする熱電子発電器では、エミッタ加熱とセシウム原子の励起・電離が太陽光で行われる。このため、空間電荷中和がエミッタ加熱と同時に行われることになり、効率の良い発電が期待される。
太陽光により加熱されるエミッタの温度T_Eを、太陽エネルギー入射電力Q_<in>をパラメータとして熱伝導方程式の数値解析より求め、これを発電効率の計算式に代入することにより、T_Eとηの関係が明らかにされる。ここで重要な点は、セシウム中に置かれたエミッタの仕事関数φ_Eはその温度T_Eとセシウム蒸気圧T_<Cs>に強く依存するが、一方でφ_Eはエミッタからの熱電子放出電流J_Rを決定付け、J_Rはエミッタを冷却するのでT_Eに影響する関係にある。これらの関係を全て考慮して得られた数値解析の結果は、タングステンエミッタの場合、レンズ集光率を83%、発電器内部電圧降下を2.2Vと仮定して、Q_<in>=700W、エミッタ表面積=5.9cm^2のとき、最大のηはφ_E=2.6eV、T_E=1800Kのとき、2.2%程度と低い値であった。
ηがこのような低い値にとどまる原因は、エミッタの光吸収率qが30%と低いことにある。この点を改良するために、光トラップ機能を設けたエミッタを考案し、数値解析した結果、qを90%まで高められることが判った。これに基づいて試作したエミッタで実験を行ったところ、光吸収率が60%以上に上昇することが確かめられた。q=90%とすると、φ_E=3.0eV、=2000Kのとき、η=12%まで上昇することが明らかにされた。この値は、太陽電池と同レベルであり、太陽エネルギー利用熱電子発電器の将来性を裏付けるものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] W.Zheng.A.Ogino M.Kando: "Effects of Illumination on Thermionic Energy Converter Characteristics"Jpn.J.Appl.Phys.. 39・5. 2816-2824 (2000)

  • [文献書誌] W.Zheng,M.Kando: "Langmuir Probe Measurement of Cesium Plasma in Thermionic Energy Converter."Jpn.J.Appl.Phys.. 39・9. 5273-5279 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi