研究概要 |
球面波頭に対するRankine-Hugoniot(RH)型跳躍式を導いた.まず,波頭の後部と共に動く座標系を導入して,慣性座標系における質量と運動量の保存式を移動座標系における保存式に変形する.次に,移動座標系の両保存式を波頭の先端から背後まで積分することにより,有限上昇時間に対する半径方向粒子速度と半径方向応力の跳躍式を得る.粒子速度の跳躍は体積ひずみ速度と幾何学的減衰の組み合わされた効果に,応力の跳躍は体積ひずみ速度と減衰の組み合わされた効果,体積ひずみ加速度と減衰の組み合わされた効果,波頭の伝播速度の時間変化に依存する.加えて,半径方向応力の跳躍式は半径方向応力と接線方向応力の差の項を含む.これらの跳躍式を球面波頭に対するRH型跳躍式と呼ぶ.球面波頭の半径が無限大に近づくと,それらは平面波頭に対するRH型跳躍式になる.無限小上昇時間の波頭に対して,両跳躍式共有限上昇時間に対する跳躍式よりもはるかに簡単になる.特に,応力に対する跳躍式は波頭の伝播速度の時間変化に依存せず,応力差の項が消滅する.上昇時間が0である,不連続波頭に対して,跳躍式は平面波頭に対するRH式と同じ形を有する.粒子速度と応力に対する一般形跳躍式も導いた.無限小上昇時間の波頭に対する粒子速度と応力の跳躍は,波頭がつくられる物体の中心近傍で中心から離れるにつれて急速に減少することが示された.特定のひずみ波に対して,跳躍に及ぼす体積ひずみ速度,体積ひずみ加速度,幾何学的減衰の影響を評価することを計画している.引越しに伴い銃を新しい実験室に据え付けたので,実験は飛翔体と標的の傾斜角度の測定から始めた.据え付けの調整にもう少し時間が必要である
|